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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十七話 覚悟と選択する道 前編
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は自分の言葉でアリサに自身の血の事を伝えて認められた時に流す涙だから。
こうして当然のように受け入れてくれる友人に心の中で感謝しつつ、まだ明かす勇気を持てないことを謝罪する。
(私も覚悟を決めるからそれまで……少しだけ秘密にさせてね)
士郎が吸血鬼ということを明かすことで友人達に拒絶される。
それはすずかが吸血鬼だということを明かした際に起こりえる未来である。
すずかは士郎と協力体制を結ぶ段階で吸血鬼ということは知っているし、魔術に恭也と互角の実力から人を殺していることも想定していた。
そして、アリサの言葉にすずかの中にあった不安や迷いは消えた。
初めからすずかには士郎と共に歩んでいく覚悟があった。
だから
「じゃあ、アリサちゃんは何を迷ってるの?」
士郎を受け入れる覚悟も出来ている大切な友人の瞳にある迷いを解消するために、アリサに視線を向けた。
「迷ってなんかないわよって、すずかに誤魔化すことはないか」
大きく息を吐き出して
「迷ってるというより、不安なのよね」
その胸にある不安を紡ぎ始めた。
「士郎は魔術という技術を持って歩いていく。
なのはやフェイト、はやては魔術は使えないけど魔法があるからそばにいて、共に戦う事だって出来る。
でも私は……」
「アリサちゃん」
すずかはアリサの不安を理解した。
どれだけアリサが支えになろうとしても士郎が立ち、突き進む時、手に剣を持ち戦場を駆け抜ける。
その時、魔法を、魔術を持たないアリサとすずかは足手まといにしかならず、戦場に向かう士郎を見送ることしか出来ないのだ。
だが
「でもアリサちゃんは諦めないよね?」
すずかは揺らがないアリサの強さを知っている。
故にアリサの弱音を微笑で受け止めた。
「はあ、すずかには最後まで敵わない気がするわ。
ええ、諦めてやるもんですか。
魔法や魔術が使えなくたって絶対置いて行かせたりするもんですか」
「だね。私も諦めない。
なのはちゃん達に譲る気はないものね」
二人の少女は真っ直ぐに揺らぐことなく、士郎と共に道を歩む覚悟を、冬の星空の下で胸に抱いていた。
二人の少女が寒空の下で覚悟を新たにしている時、ある部屋にノックの音が響く。
「誰やろ?」
後で誰かが尋ねてくるような約束はここの部屋を借りたはやてにはない。
士郎の話の後ということでそんな余裕もなかったというのが正しいのかもしれないが
「私が」
首を傾げ、扉に向かおうとする主を止めて、立ち上がるシグナム。
扉を開けた向こうにいたのは
「貴方は」
「邪魔をしてもいいかな」
ギル・グレアム。
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