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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十七話 覚悟と選択する道 前編
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たいという欲求。
 理解して受け入れて主と騎士達を、私を救った新たな主と共にあるという覚悟。

 故にリインフォースは夢の続きを見るために再び瞳を閉じた。
 だが、地獄を越えてからはまだ見る権利がないといわんばかりにノイズ交じりの記憶。
 それでも目を凝らし少しでも理解しようとした。

 結果を言えばほとんどわからなかった。
 だがその時点でリインフォースは何があっても士郎と共にある覚悟は出来ていたのだ。

「そう、一人にはならないのね」

 そんなリインフォースを見つめてプレシアはただ安堵していた。
 仮にフェイト達に、管理局に受け入れられることがなかったとしても士郎が一人で彷徨うことがない。
 ただそのことに安堵していた。

「それでこれからどうする気?」
「私は何もしない。
 皆が受け入れるか、受け入れないか見届ける。
 それだけだ」
「……そうね」

 二人は静かに皆を案内した上の階へと視線を向けていた。



 庭を見渡せる二階のバルコニーにすずかの姿があった。

「はあ」

 そして、その口から出るのは重いため息ばかり。
 そんなすずかの背後から

「こんなところで何をしてるの?」
「アリサちゃん」

 すずかの横に並ぶアリサ。

「風邪ひくわよ」
「うん……でももう少し」

 アリサはそんなすずかの表情にため息を吐きながら、星空に視線を向ける。

「迷ってるの、士郎の件でしょ?」
「うん」

 お互いに続く言葉がなく、しばし風に揺れる木々の音に支配される。

「アリサちゃんは……士郎君の事どう思う?」
「死徒だっけ、吸血鬼だって言うのには驚いたけど、士郎は士郎なんだから私は気にしないわ。
 それにあいつの言ってることが正しいとは思えないけど間違ってるとも思えない。
 だから士郎がやってきたことを信じる。
 それが誰かを殺したということでもね。
 だけどこれからも一人で抱え込むようだったらぶん殴ってやるわよ」

 アリサの当然のように、まるで気負いのない答えにすずかは目を丸くする。

「吸血鬼って、人とは違うんだよ。
 それも気にはならないの?」

 すずか自身も士郎の程ではないが、吸血鬼という人から外れた存在である。
 故にすずかにとってアリサの答えはあまりに意外であった。

「さすがに血を吸わせろって迫られるのは遠慮したいけど、吸血鬼かどうかはあんまり気にならないわよ。
 なのはやフェイトが魔法使いなのと同じよ
 一般とは少し違う力や特徴を持っているだけでしょ」

 アリサの言葉に溢れそうになる涙を堪える。
 まだすずかは自身の血のことを、吸血鬼の事を明かしていない。
 だから必死に耐えた。

 この涙
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