7月7日、涙… その一 約束の日、貴方は来ない
前書き [2]次話
「………………嘘つきっ」
7月7日、七夕……だった夜空は室内に篭る少女の心のように曇っていた。
「約束……したじゃないっ」
窓の外でびしょ濡れになっても、にっこりと微笑むてるてる坊主だけが慰めるが、それさえも今の彼女には届かない。
『約束や』
「忍足君………………それがっ、貴方の答えなの?」
それでも直接言って欲しかったと思い、首を左右に振る。
きっと、そうなったとしても自分は今の結果を望むだろう。
直接言わないのが彼なりの優しさならば、受け止めねばならない。
それが自分が忍足侑士という存在を本気で恋した証拠なのだから…。
………………でも、今だけは少し、泣かせて欲しい。
きっと、先程雨が上がったように朝になったらいつもの私に戻ってみせるから。
彼女が顔をベッドに埋めて泣き出した頃、少し離れたカーペットの上で携帯電話のバイブが鳴った。
前書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ