『第四十二話』〜特訓開始〜
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アイツ等の才能にだよ。もの覚えが早いなんていうレベルじゃない、俺が教えることを瞬く間に吸収してものにしちまった。俺が長年苦労してやっと身に着けたものをだ。俺には才能がないのは分かってたが、実際に目の当たりにすると悲しいものだな」
どちらかと言えば、苦笑に近いかもしれない笑みを浮かべる拓斗の目は嬉しさと、少しばかりの悲しみが混ざっている気がした。
その気持ちはよくわかる。元から持っている多くの魔力量に類稀なバトルセンス、教えられたものをすぐに吸収し自分の力として扱える才能。嫉妬するなと言う方が無理だ。
僕から見れば拓斗の方が凄い才能を持っていると感じられる。しかし拓斗は自分の力を『死ぬ気で鍛えた努力の結果』と言った。
規格外の実力、それを身につけるために彼はどれくらいの時間を費やしたのだろう。年齢よりも長い年月を費やしたように思ってしまう。
「そんじゃ、特訓も終わったし、俺はデバイスルームを覗いてから戻るよ」
「何? もう行くのか? それに特訓はたった数時間じゃないか」
「そこんところはなのは達に聞いてくれ。それに、仕事が重なって俺も忙しいんだ。今回の件はこのくらいしか手助けできん」
「あぁ、そうだったな。忙しい時にすまないな」
「別にかまわない。最初はあまりやる気が起きなかったが、アイツ等が成長していくのを見るのは結構楽しかったからな。報酬は最初に教えた口座に振り込んどいてくれ」
報酬? ……そういえば今回は依頼として特訓したんだったな。
「分かった。振りこんでおくよ」
「思わぬ臨時収入が入ったな。じゃあな」
「あぁ、またな」
僕がそう答えると、彼は手をヒラヒラとさせながら食堂を後にした。
拓斗side
――コンコン
「入るぞ」
「「うわっ!!」」
デバイスルームのドアをノックして入ると中にいたユーノとアリシアに驚かれた。俺は別に何もしてないぞ?
どうやら、現在デバイスルームにいるのはユーノとアリシア、リニスの三人みたいだな。
「そんなに驚くなよ……なんか悩んでたみたいだが、問題でも起きたのか?」
「えっと、実はレイジングハートとバルディッシュにエラーが起きちゃったみたいで………」
アリシアが落ち着きを取り戻して訳を言った。
「みたい?」
「うん、部品が足りないって………」
「部品は足りてる筈だろ?」
デバイスはトリガーと構造が大きく違うが俺でも理解できる。
今回必要な部品はニ機ともに珍しい部品は無かったはずだ。
「その筈なんですが、これを見てください」
リニスがそう言ってモニターを見
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