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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百二十二話 国防委員長
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接触していません。ブラウンシュバイク公は酷く驚いていました」
皆が妙な表情をした。有り得ないことが起きた、そんな感じだ。
「本来なら帝国にも接触して同盟、帝国を上手く操って利を得ようとするはずだが……」
「どういう事かな」
レベロ、ボローンが首を傾げている。
「帝国に接触しないのはそれが危険だと考えているからだと思います」
あらあら今度は皆が首を傾げている。ニコニコしているのはトリューニヒトだけだ。こいつ、相変わらず性格が悪いな。
「フェザーンは帝国が独立を認めないと判断しているのではないかと思います。帝国に知られれば再度軍を派遣するのではないかと恐れているのでしょう。酷い目に遭いましたからね」
「なるほどな、可能性は有る。ブラウンシュバイク公はその辺り、如何考えているのかね? フェザーンの独立を許すのかな?」
リウが問い掛けてきた。視線が俺に集中する。
「さあ、迷っているようでした。自治領とは言っても内実は独立国です。しかし独立を認めては面子が立ちません、かといって今のフェザーンは反帝国感情が強い。自治領に留め置いても厄介な事になっては……」
誰かが“ウーン”と声を上げた。
「フェザーンが先に同盟との国交の樹立を求めたのは独立を既成事実にするためでしょう。おそらくはフェザーンの独立が脅かされた時は同盟が軍を派遣してフェザーンを守る、そういう形での安全保障条約を結ぼうとすると思います。その上で帝国との交渉に臨む、そんなところでしょうね」
皆が渋い顔をした。まあしょうがないだろう、フェザーンには軍事力が無いんだから。
「こちらとしては帝国との和平交渉を優先させるべきだと思います。フェザーンとの交渉はその後という事にした方が良いでしょう。帝国側も同盟との交渉を優先したいと望んでいます」
彼方此方から“それが良い”、“そうすべきだ”、“利用されずに済む”と声が上がった。ホント、フェザーンって嫌われてるよ、少し可哀想だな。
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