呪われし蛇髪姫
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出そうとするなど、愚かでしかない」
勝てもしない、抗争。
その“抗争”が何を示しているか、考えるまでもなかった。
――――――妖精の尻尾との、抗争である。
「あの抗争に元々勝機なんてなかった。考えれば解る事だ。幽鬼の支配者と妖精の尻尾では実力が違いすぎる」
フィオーレ最強と評されていた2つのギルド。
が、ザイールは2つのギルドが本当に同じくらい強い訳ではないと語る。
「幽鬼の支配者の最強の男はガジルだった。が、対する妖精の尻尾は破門中だがラクサス、正体不明だがミストガン、帰ってくるか解らんがギルダーツ。この3人のうち誰か1人と1対1で戦ったとしても、ガジルに勝機はない。火竜と対等が限界だろう」
確かにそうだった。
途中でティアの乱入があったが、あの時のガジルではナツに勝てなかった。
ただ単に実力だけを見ればガジルの方が上かもしれないが、ギルドへの思いや仲間を傷つけられた怒り、そこに炎が合わさったナツ相手では最強の男の称号も霞んでしまっていた。
「ジョゼもそうだ。マカロフに勝とうなど無謀にも程がある。アイツは自分の実力に溺れ、それ以上がいる訳がないと決めつけていた。だから勝てなかった」
呆れたようにザイールは首を横に振る。
勝てなかったのは事実だ。その結果が今のジュビアだとジュビアは思っている。
だが、あの時幽鬼の支配者の全員が本気で戦ったのも事実なのだ。
「そんなのっ・・・抗争に参加すらしていなかったザイールさんに言われたくないです!」
そう。
目の前で幽鬼の支配者の力不足を語る黒髪黒目黒装束の青年ザイールは、抗争に参加すらしていない。
それなのに抗争について語るザイールに、ジュビアは怒りを感じた。
「確かに。俺は抗争に参加していなかった」
それを、ザイールは再び素直に認める。
そして―――――呟いた。
「抗争の前に、ジョゼによって破門にされているからな」
破門にされている――――――。
その言葉の意味を理解するのに、ジュビアはキッカリ5秒は必要だった。
「え・・・?破門って・・・」
「言っておくが、俺はラクサス・ドレアーのような失態を起こした訳ではない。破門というより、追い出されたという方が正しいだろうな」
「追い出された・・・!?何で・・・」
ジュビアの青い目が見開かれる。
が、当のザイール本人は表情1つ変えず、淡々とした
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