水の巫女の再来・後編
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シーフの左手に握られていた大剣も光の泡となって消失する。
「ランク、すごい……!」
「ふえぇ、ランクさんかっこいいでスぅ……!」
仲間の白魔の少女と黒魔の男の子は、彼の勇姿に思わず見とれる。
「────エリア……?!」
他の二人は、水のクリスタル祭壇前に沈み込んだ1匹の人魚の元に降下する。……他に囚われていた人魚達は、水のカオスが倒されると同時に泡の檻から解放され、輝きは失ったままの水のクリスタルの周りをゆっくりと泳ぎ廻る。
「エリア……! 死なないでくれ、エリアっ! イングズ、赤魔だろ?! 回復魔法を……っ」
「───先程から掛けているが、これだけでは駄目なようだ」
「任せろよ、オレに………」
その時、シーフがおもむろにやって来て、利き手らしい左手の平に小さな水のクリスタルの欠片を出現させ、その内に秘めた淡い光を水の源のクリスタルそのものに掲げる。
────すると見事に本体に蒼き清浄な輝きが戻り、海底に光が溢れていきそれを喜んだ人魚達が美しく海中を舞う。
そして彼女も───暖かな光に触れて意識を戻す。
「エリア……! よかった……っ」
人魚と化している彼女は、間近のルーネスよりシーフの青年の方へ近寄ってゆく。
「ほら……これだろ。返すよ───アンタに」
彼は、蒼き輝きを湛えた水の欠片のクリスタルを、ふと彼女に手渡す。
「───ありがとう。また………逢えるといいですね、彼に」
「あぁ、───あとはアンタの望むようにすればいい」
「ちょ……何だよおまえ! 気安くエリアに話し掛けんなっ」
「よしておけ、彼と彼女にしか判らない事に口を挟んでも仕方ない」
「そ、そんなことない……!」
イングズのたしなめに反発しようとするルーネスだが、彼女の方からふと口を開く。
「────もう、ここに用はありません。行きましょう」
「ちょっと……! あたし達を置いてくんじゃないわよ!」
「そうだよ、待ってよ3人とも……!」
そこへ、[空気の水]を使って海底神殿までやって来たレフィアとアルクゥも合流する。
「結局あのあと海魔達襲って来ないみたいだったから、加勢しようと思って来てみたら………終わってたのねぇ」
「うーん、とにかくみんな大丈夫そうでよかったよ。戻るんでしょ? 元の場所に」
────祭壇前に次元の裂け目が現れているようだが、少し前と違って黒く渦巻いておらず、白く輝いた空間がぽっかりと空いてる。
「残るはあとひとつ ──── 土のクリスタルです」
彼女の姿もいつの間にか、人魚から元に戻っている。
「エリ
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