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正義と悪徳の狭間で
原作前 編
ロアナプラ編
原作前編 第1-R話 商談
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から愛用している型、ベレッタ92FSを二挺、グリップを交換しただけだが一応カスタム品だ。
さらにロッカーから一応、予備弾倉のポーチを取り出し装着する。
他は…いらないな、昼食を食べにカラシニコフやドラグノフなんて担いで行く奴はいない。

服装は二つ名にちなんだ深紅のワンピース、10種類位持っているが今日のは初仕事の時に着ていたお気に入りの一つだ。
このワンピースは銃を隠し持てる様にしてあるのだが、護衛の時は外にぶら下げていた方が良いので外付けホルスターも持っている。
…さて、行こう、上司を待たせるのは良くない。



屋台のパッタイ(焼きソバ)とココナッツミルクで昼食を済ませ、カオラーム(甘く蒸したもち米)を買って事務所に戻った。
電話番をしながらいくつかの書類を用意した後、武装の確認をし、軽く箒で床を掃いておく。
アイシャはいくつかの書類を読んで取引に備えているようだ。


車が三台、事務所の前に止まる音がした。しばらくすると扉がノックされる。
「どうぞ、開いています」
アイシャがそういって接待用のソファーから立ち上がると扉が開かれ、部下に先導されてバラライカさんがボリスさんと共に入室してきた。
私はアイシャの後ろで待機する。

「お邪魔するわよ、アイシャ」
「いらっしゃいませ、Miss バラライカ。お待ちしておりました、どうぞおかけください」
握手をして、二人は向かい合って座った。

「さて、早速なんだけど、見積もりの詳細を」
「ええ、では」
アイシャはそういって薄いファイルを卓上に開いた。
「まず、いつも通り、1枚目が見積書、2枚目以降が中古品の品質詳細書です。見積書に疑問等ございますか?」
「そうね…AK47が見積もりの想定額の範囲よりもかなり安くなっているようだけど?」
「ああ、それは質のいい中古品が大量入荷したので…まあ、詳しくは後程説明いたしますが品質はそちらの条件を満たしています」
「…アレね、貴方たちに本気でケンカ売ったお馬鹿さんたちからの…」
「ええ、戦利品で在庫が過多になりつつありまして…今回の品にどれだけ入ってるかは別ですが」

そーいえばそんな広報連絡が来てたな、中東方面から

「貴方たちが品質を保証してくれるなら問題ないわね、じゃあ続けて頂戴」
「はい、では中古改造漁船から…」

アイシャとバラライカさんが商談を進めるのに耳を傾けながらボリスさん達モスクワ側の護衛を観察する。

ボリスさんはおもに私に注意を払っているように思えるがどうもはっきりとはしない。
さらにその後ろで出入り口を固める二人はどちらかと言うと外側に注意を払っている…のかな。
アイシャやバラライカさんも商談を勧めつつ無防備とは程遠い雰囲気だし…
なんにせよ、格上(ボリスさん)か
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