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とらっぷ&だんじょん!
第二部 vs.にんげん!
第20話 つみのろうごく!
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スかノエルに頼むしな」
 オルフェウスが黙る。
 対岸の魔物が滅んだ。
 その島の先は細長い洞窟になっていた。
「この辺りの魔物はさっきので全部か?」
「随分あっけなく片付きましたねえ。さすが僕ですね!」
「うるせぇぞ中途半端」
「あなた達、ホントよく喋るわね」
 後ろを歩くイヴが肩を竦める。
「なんだ。やけに静かだと思ったらお前でも疲れるんだな」
「当たり前でしょ。何だと思ってるの?」
「別に。早く帰って一杯やりてぇな」
「賛成。でもあたし、さすがに今ばっかりはお酒じゃなくて水が欲しいわ。もう喉カラッカラ」
 洞窟の先は小さな広場になっており、そこに人が二人いた。
「新入り共じゃねえか! お前、ウェルドだっけ?」
 どちらも中年の男で、一人は頭の禿げた剣士、もう一人はローブの魔法使いだ。
「ああ……。シェオルの柱を探してくれてるのか?」
「おうよ。ティアラちゃんとバルデスさんに頼まれてな。お前も災難だったな」
 思いのほか優しい言葉を掛けられて、ウェルドはほっとして力を抜いた。
「俺は、別に……」
「そんな面すんなって。俺らは別にお前に恨みなんざねえし。なあ」
 剣士は立ち上がり、ウェルドに握手を求めた。
「フォルクマイヤーだ。こっちは相棒のオンベルト。ま、仲良くやろうぜ」
「どうも」
「君たちはこっちのフロアを探していてくれたのか?」
 オンベルトが地図を広げ、今しがた通り抜けてきた場所を指で示す。
「ああ。あんた達は、二人だけか?」
「さっき一人で行動してる奴とすれ違った。危ないから俺達と組まないかって言ったんだが――」
「一人で? 誰が」
「お前に言っても知らないと思うが、ネリヤって女さ」
「ネリヤ?」
 ウェルドは目を瞠る。
「知ってるのか?」
「ああ。よくドレスティって剣士と一緒に酒場で飲んでた奴だろ?」
「何だ、知ってるじゃねえか。しっかしネリヤの奴も不憫だよな。フォールトは凶戦士として仕留められちまって、弟のイロットも死んで、前回ので恋人のドレスティまで……」
 心臓が大きく脈打ち、ウェルドは顔がサッと熱くなるのを感じた。
 死んだのか。
 あの夜、狂戦士から逃れて宿舎に向かう道すがら、助けてくれた男が。
 この手で殺したのか。
 ウェルドの顔色が変わった事に気が付くと、二人は慌てて話題を変えた。
「で、お前ら、そっちに柱はあったのか?」
「いいや、残念ながら」
「そうか……まあ、仕方ない。一旦戻ってティアラちゃんに報告しよう」
 五人はそれぞれの時の行路図を広げた。

 煉獄を出た後では、町の寒さが一層身に堪えた。十分に雪かきをする人手もないせいで、遺跡の入り口の前には粉雪がすぐに積もり、それを両手でかき分け、僅かな雪の壁の間をくぐらなければ広い通りに
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