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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross world〜
cross world:交語
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を切断した人が稀に感じる、『現実には存在し得ない痛み』のことなんだけど」
「それなら聞いたことあるかも。確か、四肢が損失した事を脳が正しく認識してなくて、欠損した時の痛みを感じちゃうっていう………」
そう、と。
そこでもう一度、湯呑みを傾けながら黒衣の闇妖精は首肯した。
「俺は、これと似たような現象が今回の事だと思ってる」
「その…………ふぁんとむぺいん……という現象が、ですか?」
ハテナマークを頭上でクルクル回転させながら、カグラは首を傾げた。
「聞いている限りだと、そのような因果関係は見出せませんが………」
「要するに――――」
スッ、と腕を伸ばし、少年は口を開く。
「俺ら人間はこうやって、肩の先に腕があるってことを認識し、それらの集合体によって己の身体っつーのを頭の中で構成してる。具体的には、二本の足と腕、顔には眼や鼻や口があるってな具合にな」
「ふんふん」
「まぁ、そうですね」
「じゃあその感覚を、世界に当てはめたらどうなると思う?」
言葉に詰まる二人の女性陣。
当たり前だ。世界の感覚性などを即答で答えられる人間など、存在していたらそれこそ普通ではないだろう。
俺はこう思う、と前置きをして、ソレイユは口を開く。
「世界は、自分の内にあるもの――――植物や動物、無機物や有機物、人間とかを全部把握してるんじゃないか?って。人間でいう、腕とか足とか、そこにあるのが当たり前のように、この世界にある全てを知覚してんじゃねぇのかってな」
「それが何か………」
「あっ!」
ガタン、とテーブルに両手をつき、身を乗り出したマイは声を漏らす。しかしその表情は、気が付いた物事への驚愕よりも、さらにそのもう一歩先。信じられない、という拒絶の意思が張り付いているような気がした。
「んで、ここでパラレルワールドとファントムペインの話に戻る訳だ。二つある世界。それらがぶつかり合って、交じり合って、重なり合ったところで、本来ありえないはずの《交換》が起こった。起こってしまった」
「――――そして、その現象が珍しすぎるから、世界のほうが互いに《勘違い》したんだね」
引き継ぐようにソレイユの発言に続いたマイは、一呼吸置いてから桜色の唇から言葉を紡ぐ。
「思わず『そこにいなくなった人がいる』って、強く強く信じちゃうぐらいに」
幻肢痛、ファントムペインとは、そういう意味では非常に似通ったものだった。
そこにあるのが当たり前すぎて、逆になくなった時に咄嗟には信じられなくなる。なってしまう。それによって発生した、余波のような、余震のような、副次的で二次的な現象が、あのバケモノなのだ。
おそらく、ルナがいる世界――――つ
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