1話
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近づくにつれ森のゴツゴツとした道が段々と獣道のような道に変わる。
腰に下げた魔法の鞄から方位磁石を取り出し現在地を確認しながら歩く。方位磁石を取り出すと共に鞄から出した飴を口に含む。
それから数分もしない内に建物が視認できる距離まで近づく。
建物、小さい木で作られたログハウスの窓からは光が漏れ玄関には明かりが灯っている。
そのログハウスの前に一つの人影が見える。
どうやら気がつかれていたようだ。
「…………」
無言で人影に近づいていく、お互いの顔が見える位置まできた時に人影が口を開く。
「今晩は、こんな遅い時間に何か御用ですか?」
玄関の灯りに照らされ人影の全容が見える。
白衣を着た長身の男性、髪は男性にしては長く肩に掛かるほどだ。年は見た目20代後半、少し汚れた白衣と白髪が混じった髪で少し老けて見える。
「貴方がアンスティーさんですか」
僕は青年の質問を無視し逆に問いかける。
僕の回答になってない問いかけに苦笑しながら返事を返してくれる青年。
「ああ、僕がアンスティーだ。君は協会の使者かい?」
やはり僕の招待には気づいていたようだ。
「はい、ハーティア協会から貴方に出頭命令が出ています」
「……出頭か。まぁ、行く行かないは別にしても此処は冷える、中に入って話をしようか」
そう言ってログハウスの扉を開き手招きしてくる青年、アンスティー。
「……では御言葉に甘えて」
正直寒かったから助かる。
ログハウスの中は暖かく柔らかい光に包まれていた。
綺麗に整頓されているというより物自体が少なく小ざっぱりしている。
アンスティーに促され椅子に座る。
「正直、何時かは来ると思っていたがここまで早く来るとは思っていなかったよ」
そう言って笑いながら紅茶を淹れるアンスティー。
「……そう言えば自己紹介がまだだったね、てっ言っても既に知ってるだろうけど僕はアンスティー。魔物の中でもスライムの研究をしている」
紅茶を僕と自分の前に置いた後、手を差し出す。
それを答ながら僕も名乗る。
「初めまして、僕はハーティア協会、サモン部隊のホーネットです。好きに呼んでもらって結構です」
「サモナーか、若いのにハーティア協会に入れるなんて優秀なんだね」
ではホーネと呼ばせてもらうよ、と最初に言ってから話すアンスティー。
「自慢じゃないけど僕を迎えに来るのは二つ名持ちだと思っていたよ」
謙遜する僕にさらにそう言い、優秀なんだね、と繰り返す。
「本来ならばその予定でしたが別の案件が入ったらしくて」
「そうなのか……でも二つ名持ちの代わりに選ばれたのだやはり」
優秀だね、としつこいアンスティーにめんどくさくなり取り合えず頷く事で終わらせる。
「……話を戻します、アンスティーさ
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