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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第5話 「レヴィはアホな子?」
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 見た限り人数だけは大したものだが、初詣でやることはお参りやおみくじを惹くくらいで大したことはしない。このことを正直に言ってもいいのだが、わくわくしているレヴィを見ると気が引く。とはいえ、伸ばせば伸ばす分だけ何をするのか理解したときの落胆はひどいものになるだろう。

「あのなレヴィ」
「ん、……あれ? シュテるん達は?」

 自分から離れておきながら今更この子は何を言っているのだろう、と俺は頭を抱えた。こちらの反応にレヴィは小首を傾げ、状況を全く理解していないように見える。

「……はっ!? もしかして」
「分かったのか。そうだよ俺達……」
「シュテるん達、迷子になったんだな。全くみんなダメダメだな。特にレーネはダメダメだ。大人なのに迷子になるなんて」

 この子はあれか……単刀直入に言ってアホなのか。普通に考えれば俺達が迷子だろう。レーネさんは確かに大人としてダメな部分のある人だが。
 ……というか、迷子になったの生まれて初めてだぞ。巻き込まれる形で迷子になってるし、このへんの地理は理解してるから迷子と言っていいのか分からないけど。いやいや、こんなことよりもどうやって合流するかを考えるべきか。
 普通に考えればケータイだが……これだけ人がいると繋がらない可能性がある。地球ではトレーニング以外で念話であっても魔法はあまり使いたくないのだが、そうも言っていられないか。レヴィのことを考えると、本当に迷子になってしまう可能性もありえるのだから。

「レヴィ……迷子なのは俺達のほうだ」
「え……えぇ!? ど、どどどうしよう! ボ、ボク、来た道とか覚えてないよ!」
「あのな、俺はこの街に住んでるんだけど」
「シュテる〜ん! 王さま〜!」

 レヴィは周囲に人がいるにも関わらず泣きそうな顔で大声を上げ始めた。人々から向けられる視線が俺を射抜く。
 これではまるで俺が泣かせたみたいではないか。強引にレヴィの口を塞げば、より視線を浴びることになるだろう。
 何か良い方法はないか、と思考を巡らせると、ポケットにレーネさんからもらっていた棒付きキャンディがあるのを思い出した。
 このキャンディをレヴィの口に入れればきっと黙るだろう。あまり良いやり方ではないが、効果あることは身を持って知っている。

「ユーリ! レー……っ!?」

 キャンディを入れられたレヴィの顔は驚愕に染まった。が、口に入ったのがキャンディだと理解すると一瞬にして笑顔になる。
 レヴィはそのへんの子供よりも扱いやすいかもしれない。というか、この変わり身の早さを見る限り、彼女はエサを与えれば誰にだってついていくんじゃないだろうか……この子をひとりにしてはいけない。

「いいかレヴィ、お前はひとりじゃない。俺がどうにかするから慌てるな。いいな?」

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