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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
蒼き魔女の迷宮篇
18.宴の前の再開
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だよ。人がせっかく寝ようとしてたのによ!」
彩斗の名前を呼び、眠りを妨げた人物を睨みつける。
彩斗の名前を呼んだのは、同じクラスの棚原夕歩。そして彼女の背中に隠れるようにして、銀髪の少女が立っていた。
中等部の制服の下に、ハイネックの長袖のアンダーシャツを着ている少女。
中等部三年の叶瀬夏音。
「か、夏音!」
予想外の人物に彩斗は跳ねるように立ち上がる。クラスの注目が今度は、古城から彩斗へと変わる。
「無事学校についてたのか」
「あ、はい。アスタルテさんが迎えに来てくれました、でした」
彩斗は、アスタルテを一瞥する。
人工生命体
(
ホムンクルス
)
の少女は、表情一つ変えずに一礼する。
那月からの頼まれたのだろうと自己解釈し、夏音に視線を戻す。
「教室まで押しかけてすみません、でした」
「いや、べつにそれはいいけど……そ、その……」
視線を戻したが目を合わすことができない。
夏音の頬もほのかに赤く染まっている。言葉のない沈黙の空気が広がる。その間にもクラスメイトたちのどういう関係だといわんばかりの視線が痛い。
実は今、夏音と一緒に暮らしてるんだよな、とこの場で言ったらどうなるだろう。多分、いや、確実に彩斗は抹殺されるであろう。
そんなことを考えて背中に悪寒が走っていった。
「ねえ、二人は昨日なんかあったの?」
不意な声に心臓が止まるかと思った。
「急に声かけんなよ、逢崎」
「だって、二人があまりにも喋らないからさ」
少しふくれっ面になった友妃は、彩斗の横に立つ。
「で、夏音はどうして来たんだ?」
「はい。お願いがありました」
「ん? なんだよ?」
彩斗が訊き返す。夏音は恥じらうように少し目を伏せた。
「はい、あの……」
銀髪の少女は声を落とす。クラスメイトたちは息を殺して彼女の言葉を待つ。やがて夏音は勢いよく顔を上げ、彩斗に尋ねた。
「今日の夜、お兄さんの家に泊まりに行くんですが、彩斗さんも一緒に来てくれませんか?」
その瞬間、凍りついたような静寂が訪れた。
「ああ、別にいいけど」
なぜ夏音がこんなことを言い出したのか彩斗は考える。
ふと自分の中で答えが出たとき、後方から少女の声が聞こえる。
「ちょっと待った!」
振り向くとそこには、制服を華やかに着崩した藍羽浅葱の手首を掴み、二人で手を挙げる築島倫がいた。
「あたしたちも一緒にお邪魔していいかな」
彩斗に倫はにっこり笑って告げる。
「まぁ、いいんじゃねぇ? いいよな、古城」
ぽかんとした表情の古城、微笑む倫、隣で笑いを堪えている友妃、挙げられた自分の腕を見てキョロキ
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