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ロウきゅーぶ 〜Shiny−Frappe・真夏に咲く大輪の花〜
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と思うのだけれど、まあ良いか。
……一人だけ散らない奴が居た。とても背が低い、銀髪のショートヘアで勝ち気そうな瞳をした釣り目の少女。
さっきの試合でもすこぶる動きが良かった。だがコントロールががさつで、どうしても個人プレーに走ってしまうのが気になる。
「私、
千早結奈
(
チハヤユイナ
)
って言います!!!! 先輩の事は聞いてます、私と同じPFで無敵の強さを誇ってたって……」
「無敵って……昔の事だし。それにあの時でもそんな上手くいっちゃいなかったよ」
「それでもあの的確な指導……私の気がつかない所まで指導して下さって本当に感謝してます……あの、私は今後どうしたらいいでしょうか?」
基礎ステータスは多分誰よりも高い。それに加えて最近伸び悩んでいる事は休憩時間に先生から聞いていた。足も速い、誰よりも走り続けられる。だからその練習、普段の走り込みなどの基礎練習以外に何か欲しいのだろう。
「結奈、だっけか。あんたのその俊足と体力の高さは立派な武器だ。それに私もそんな背が高いわけじゃなかったし体格面でも問題無い。だから自分の武器を精一杯活かすんだ。しっかり走り込んで、パス回しの精度上げて、それから」
「そんなんじゃっ!!!! 今のままじゃ絶対来月の試合には間に合わない、私がもっと皆を引っ張っていかないといけないのにそんなk」
乾いた音と共に結奈が黙り込む。私も結構酷いなと思いながらもその険しい顔を崩さなかった。
「うぬぼれんな」
「うぬぼれてなんか……私は、今のままじゃ駄目だって思ってるからもっと強くなりたくて」
「じゃあ何で他のやつらと一緒の練習が嫌なんだ。お前らなんて所詮大差ないんだよ。確かにお前は上手い、だけどお前みたいな奴が集団に居ても邪魔なだけだ」
「なん、で……っ……何でだよっ!!!!? 折角こっちが下手に出てんのにそんな上から目線で物言いやがって!!!!!!」
涙でうるんだ瞳を最後に彼女は走り去って行った。どうせ彼女は誰にも見られていない所で人知れず泣くのだろう。自分もそうだった、だから別に同情はしない。
「あらら……大分厳しい事言ってくれるじゃん。かつての自分見た気がしてキレちゃった?」
「別に……指導者に牙をむく選手は要らないんじゃないかなと思っただけで」
「それがキミの本意かい? 三沢真帆」
変に作った言葉が紡ぎ出される。先生はにやりと笑い声のする方を向いた。
「随分遅かったんだね……袴田ひなた」
「ヒナ……っ!!!?」
「何も君の本質は変わっていないと見える。少しくらい大人になったと思っていたボクがバカを見たよ」
そこに居たのはかつての仲間だった。看護学の実習が終わって着替える間もなくやって来たらしくナース服のような物を着てい
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