―振り子の担い手―
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でもない。この絶望的に状況に――
「《マスドライバー》の三回目の効果を発動!」
遊矢LP1100→700
――対抗策はない。そのことを証明するように、三回目のマスドライバーも無抵抗で直撃する。グリーン・ガジェットよりも質量の重いマシンナーズ・フォートレスの一撃を受け、寄りかかっていた壁も耐えられずに崩壊し、そのまま俺も吹き飛んでいく。
そしてまたもや固い岩盤に当たる……ことはなく、吹き飛んでいった俺を柔らかい何かが受け止めた。痛みに耐えながら目を開けると、そこには白い服を着た女性が――
「明日、香……?」
「違……います。でも……」
目を開けると自分は女性に抱き留められているようで、一瞬だけ明日香の顔が頭の中に浮かんだものの……すぐに彼女ではないと悟る。雰囲気が、抱き留めている力が、何もかも彼女とは違う。
「助けに……来ました」
「リ、リィ……!?」
追い出された隠れ家であった場所で別れた、白衣に眼鏡をかけたカードの精霊、リリィ。その腕には異世界に来るときに壊れた俺のデュエルディスクが装着され、そのリリィの背後には小柄なドラゴンが鎮座していた。
「乗って……しっかり、掴まってて……下さい」
慣れない手つきで怪我をした俺を小柄な竜に乗せると、自身もその竜に跨がると、竜は乗った二人がちゃんと落ちないようにしているか確認したような動作をした後に、大空に舞うべく翼をはためかせた。
「貴様……デュエル中に逃げるつもりか!」
マスドライバーによって破壊された壁の向こうから、怒りの形相の戦士長が走り抜けてくる。だが戦士長がここに到着するより早く、俺たちを乗せた小柄な竜は空へと逃げていく。
「逃がさん! マスドライバーの効果を発動!」
大空へと逃げていく俺たちに対し、戦士長は四度目の《マスドライバー》を発動する。マシンナーズ・フォートレスがマスドライバーによって高速で発射され、俺たちが乗る竜へと、とても回避が出来そうにないスピードで襲いかかってくる。
「ぼ、《防御輪》……発動っ……!」
リリィが装着している壊れた俺のデュエルディスクに、効果ダメージを無効とする速攻魔法《防御輪》を発動する。デュエル外からの干渉も可能なのか、理由は分からないが竜の後方に《防御輪》が現れ、マスドライバーにより発射されたマシンナーズ・フォートレスを防ぎきり、その隙に竜は戦士長の死角の方へ飛んでいき……どうやら、逃げ切ることが出来たようだ。
その証拠に、デュエルが中断されたということか、発動していた《防御輪》と《グリード》とセットされた《ゴーストリック・ランタン》が消え、天空に描かれていたペンデュラムスケールと魔法陣も消えていた。そしてリリィがつけていた、俺が使っていた
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