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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第7話 「3大危険地域」
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「ああ……もう朝か……」
昨日は結局寝つけなかった。枕が変わればなかなか眠れないっていうのは本当らしい。



「昨日は本当に大変だったな……毒を打たれたり、イ・ウーとかいうやばい組織の人間に関わちゃったし。命を狙われたりしないよね?」

どうしよう……マジで心配になってきた。いや、案ずることはない。僕には元・公安0課の武敏さんがついている。恐れることは何もない!

「よう、勇人。元気そうだな」
病室に入ってきたのは武敏さんだ。

「武敏さん? どうしてここに? というかお店はいいんですか?」
「ああ、こんな朝っぱらからわざわざ来る奴なんてお前しかいない」
「そ、そうですか……」
「ところで、さっき医者と話したんだが、今日で退院できるらしいぞ」
「え!? もうですか!? いくらなんでも早くないですか?」
「俺は医者じゃないから聞かれても答えられねーよ。まあ、お前って体だけは頑丈だからな」
「公安0課の人間をやめた人には言われたくないですよ」
「まあ、今日はそんな変な話をしに来たわけじゃないんだよ」
「え? 普通に大事な話ですか?」
「普通に大事な話だ」
「どうせ、イ・ウーとかそんなんでしょう?」
「え? なんで、お前知ってんの? それって国家機密だぞ」
へ〜、国家機密なんだ……。
「え? そうなんですか?」



「ああ、一般の奴が知っちまったら公安0課に消されるぞ。ドンマイ、骨くらいは拾ってやるよ」
は………………?


「ええええ!? ちょ、何とんでもないことサラッと言ってるんですか? 骨を拾うんじゃなくて拾う前に守ってくださいよ! 武敏さん一応、僕の保護者ですよね!?」
「いや……。俺だってどうにもならないときぐらいある。あ、また話が脱線したな。大事な話ってのは“裏”に関係することだ」
「“裏”に関係あること?」
(うわ〜また、“裏”だよ……碌なことにならないな……)

「そう。公安0課は……“裏”を消すことになった」
「“裏”を……消す?……そんなことができるんですか?」
「時間は必要だがな。まあ、極端な話……女、子供、問わずに虐殺だ」
「!!」
虐殺……?




プルルルルッ!

「ん? すまん電話だ。少し待ってくれ」
「は、はい……」






「……分かりました。では。悪いな、急用だ。すぐ行かないと」
「そうですか。わざわざ見舞いに来てくれてありがとうございます」
「ああ、じゃあな」







武敏さんが病室を出た後、すぐに看護師が入ってきて点滴の針を抜き、晴れて退院となった。そして今、寮に向かって歩いているところだ。

「あ〜帰ったら暇だな〜。そうだ、ののかちゃんの見舞いにでも行こうかな。おっと、そ
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