暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth3そして結末への旅が始まった〜Per aspera ad astrA〜
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ケガは仕方ない。体当たりをして全力逃走。でもわたしはそれでいいとしても、アンナは一瞬で殺されてしまう。
「目標はソイツだな。早く終わらせるぞ。団長と副団長の戦死が確認された。団長たち、そして先遣部隊を討った奴が来るかもしれない。そうなる前に引き上げる。本作戦は失敗だ」
「隊長・・・」
「あの団長と副団長が死んだ? どんな化け物が居るんだよこの街には・・・!」
騎士団を率いる団長と副団長と言えば高位騎士だ。ただの騎士とは一線を画す実力者。でもそうだよね。オーディンさんの同時に複数人を打ち倒すあの魔導なら、1人相手に集中砲火すれば高位騎士だろうと無事じゃ済まないはず。
「ならさっさと殺して撤退しようぜ隊長」
わたしに突きつけられる大鎌の刃。今度こそここで終わり・・・? せっかくオーディンさんが助けてくれたのに。こんなことになるなんて。わたし、「助けて・・・オーディンさん・・・助けて」また頼ろうとしてる。
騎士の1人が「神様にお祈りか? 良い覚悟だ」って笑う。オーディンさんは神様じゃないけど。でも祈りたいのは確か。でも祈ったところでオーディンさんは現れない。だけどその代わりに・・・
――豪狼――
狼の頭の形をした複数の衝撃波がわたしとアンナを包囲してる騎士たちを討った。ホントに一瞬の出来事だった。地面に倒れ伏す騎士たちを見た後、今の魔導を放った人を確認する。端正な顔立ちの男の人が居た。紫色のサラサラの髪、翡翠色の瞳。ゆったりとした白の長衣を着ていて、手には反りのある剣。知っている人だった。何せついさっきまでアンナとの話に出てきていた・・・
「危ないところでしたねエリーゼ」
「・・・・シュミット伯・・・」
†††Sideエリーゼ⇒ルシリオン†††
「すぅすぅ・・・あたしは・・・アギトむにゃむにゃ」
「疲れて眠ってしまったか」
私の手の平の上で眠ってしまったアギト。随分と安心した表情をしている。にしても不思議な感覚だ。私とアギトがこうして一緒に居るなんて。アギトを起こさないように魔力の膜で覆い、手の平から浮遊させる。
「今はゆっくり休んでいてく――ん?」
中庭に向かおうとしていたところ、屋敷の角の陰に倒れ伏していた1人の男性を見つけた。おそらく中庭からここまで這ってきたんだろう。血の轍が中庭から続いている。もうピクリとも動かないため、残念だがもう逝去されたのかと思ったが・・・・
「生きている・・・!」
――
傷つきし者に
(
コード
)
、
汝の癒しを
(
ラファエル
)
――
わずかに指先が動いた。虫の息だがまだ生きている。すぐさま中級治癒術式を発動。仰向けにして呼吸がしやすいようにする。顔を見れば歳はまだ50にも満たないだろう。顔は気難しそうだが、とても優しげな目
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