暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth3そして結末への旅が始まった〜Per aspera ad astrA〜
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てくれていい。エグリゴリを見つけ破壊するまではベルカに留まることになると思うが、この戦争に好き勝手干渉するつもりはない」

「そのエグリゴリという兵器が我々ベルカ人に危害を加え、ベルカをさらに混乱させるようなことが無いとは言い切れないのでは?」

「確かにな。そうならないという確約は出来ないが、まずないだろう。もしあったとしてもこのアムルだけは必ず守るつもりだ」

オーディンさんのその言葉に、わたしとアンナと殿下は揃って「え?」って訊き返した。アムルだけは守る。その理由が判らない。助けた恩なら十分返してもらった。だから話に割り込むのを失礼と思いながらも「どうしてですか?」と尋ねる。

「・・・君の父親との約束だ。君への遺言の他に、私にある願いを託した。エリーゼのことを頼む、と。ひとりの男が死に際に願った思いだ。同じ男として果たさなければならない」

「父様が・・・」

オーディンさんのことを追い出せ、なんて言っていたのに。わたしとアンナがあの場から去った後、一体何があったんだろう? そのことを今すぐにでも詳しい話を聞きたいんだけど、殿下の用件が済まない限りは待つしかない。

「信用してくれとは言わない。が、私はこの誓いは破らないと、エリーゼに約束する。この街を害するモノが現れた時、私は全力を以って迎撃し、排除する」

「それはエグリゴリだけでなくイリュリアからの侵攻にも該当するのかい?」

殿下の確認にオーディンさんは「もちろんだ」って即答した。アンナから『どうするエリー? 彼がそう言ってくれるのなら、留まってもらった方がいいわ』と念話が。むぅ、オーディンさんが居てくれるのは本当に助かるんだけど・・・。わたしは「本当にそれでいいんですか?」とオーディンさんに確認を取る。

「私は構わない。問題は君たちの意思だ。私のような者が街に留まるのが不安だと言うなら出て行こう。別段この街に留まる必要性もないしな。で、それについて心配ないよう先に約束する。たとえ私が街の外に居ようともイリュリアの騎士が来ようが、万が一にエグリゴリが来ようが必ずアムルを守りぬこう」

揺るぎない決意に満ちた顔だった。だからわたしは「お願いします。もちろんこの街で一緒に」と握手を求める。オーディンさんも「こちらこそよろしく頼む」って握手に応じてくれた。

「オーディン殿。その誓い、僕も信じます。ですから裏切るようなことがないように」

「判っている。決して信用は裏切らない。あと、殿、は要らない。オーディンでいい」

頷き返す殿下とオーディンさんも握手を交わした。

「ではエリーゼ嬢、我々はこれで。第一隊から第九隊はアムルの防衛を務めよ。医師団は負傷者の治療に専念。残りは僕と共にこれよりヴィレハイムへ帰還する」

殿下は威風堂々然と
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