暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth3そして結末への旅が始まった〜Per aspera ad astrA〜
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ておけなくて街に連れ帰って治療したこと、一週間後の今日目を覚ましたこと、死神騎士団に襲われていたところを救ってくれたこと(コレ重要)、そして記憶の一部を失っていること(コレも重要)を。殿下はわたしを見つつも決してオーディンさんから意識を離していなかった。

「――単独で騎士団を潰す魔導・・・、それはなんとも・・・凄まじいですね。彼から少し話を聞いてみたくなりました」

殿下が踵を返してオーディンさんの下へ歩いていく。

「オ、オーディンさんはきっと良い人ですっ。か、勘なんですけど・・・!」

もし戦うことになったら、今の魔力切れのオーディンさんじゃ殿下に絶対に勝てない。殿下は「戦う気はありません。今のところ、は」と歩みを止めることなくオーディンさんの前に赴いた。

「はじめまして、僕はクラウス・G・S・イングヴァルトという。まずはアムルを守ってくれたことに礼を言わせてくれ。ありがとう」

「・・・オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロードです、クラウス殿下。それと礼など無用。礼が欲しくて戦ったわけではないのだから」

オーディンさんは片膝をついて礼の姿勢を取ろうとしたけど、殿下が手で制した。

「結構だよ、オーディン殿。あなたはシュトゥラの王族に対して礼義を取る必要のない人なのだろうから」

「なるほど。私がシュトゥラの人間ではないと確信しているわけ、か」

言っちゃった。それよりもそう断言できるということは、オーディンさんの記憶が戻ってる・・? あ〜殿下が身構えた。オーディンさんもいつでも動けるように意識してるし。お2人を止めるだけの勇気が無いよ、わたし。

「シュトゥラ・・アムルへ来た目的は?」

「偶然でしかない」

「詳細を聞かせてくれないか・・?」

「・・・・捜しモノをしている。その捜しモノが偶然ベルカにて発見された」

「ベルカにて、ということはあなたはベルカの人間では・・・」

「ああ、ベルカ人ではない。他世界から来た」

オーディンさんはシュトゥラどころかベルカの人ですらない・・・ミッドチルダ人? あぁそうか。今思えばオーディンさんの魔導はベルカじゃ考えられないものだった。殿下は質問を続ける。「その捜しものとは? それに瀕死の傷はどこで?」という問いに、オーディンさんは苦い顔をした。

「捜しモノは一種の兵器で、名をエグリゴリという。怪我はエグリゴリとの戦闘によって負わされたものだ」

「オーディンさんを負かす程の強さ・・・!?」

驚いてしまってつい声を出してしまった。するとお2人の視線がわたしに向いて、ハッとして両手で口を塞いだ。だってあのオーディンさんをあそこまでボロボロにするほどの強さって、“エグリゴリ”って一体どれだけ強いの?

「安心し
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