暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth3そして結末への旅が始まった〜Per aspera ad astrA〜
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の領内・・・アムルに敵国の騎士団を入れたの?」
近衛騎士の1人に立たされたシュミット伯に問いかける。どんな理由でこんな最悪な事を仕組んだのか聞いておきたい。もう言葉を交わすことが絶対にないから今の内に・・・。
「君を手に入れるためだよ、エリーゼ。君のことが好きだから。手に入れたいから、僕はこの外道の手を選んだ。君の知り合いが多く死ねば、心細くなった君は僕を選んでくれると思ったか――ぅぐっ」
殴った。初めて人を本気で殴った。もう許せなかった。聞いていたくなかった。シュミット伯に言うことはたった一言「さようなら」だけだ。
「君は解っていない! 君のその能力は、この戦乱の時代において貴重なものだ!」
「連行だ。ヨーゼフ・シュミット、あなたの爵位を剥奪する。カール・アーレンス、罪は罪だ」
殿下の指示によってシュミット伯とカール先生、そして騎士団が連行されていく。わたしに好意を持ってくれたことへの嬉しさはもうどこにも無い。好きだって言ってくれたのに、結局はわたしの能力を欲していただけ。その上カール先生にも裏切られちゃった。あはは、参ったなぁ。
「エリーゼ・フォン・シュテルンベルク嬢。お父上のことは誠に残念です」
「・・・・うえっ?」
沈んでいた気持ちがごっそり失せる。だって殿下に声をかけられるどころか名前を呼ばれたんだから。殿下は「今後のアムルについてですが・・・」とわたしにとって一番重要な話を切り出してきた。今しかない。話すなら、わたしの思いをぶつけるのなら今しか。
「わたしがっ、わたしが父の爵位を受け継いでアムルを統治しますっ!」
「・・・・大変ですよ、街を一つ治めるのは。それでも――」
「やります。わたしは、エリーゼ・フォン・シュテルンベルクですっ!」
殿下を真っ直ぐ見詰める。殿下も真っ直ぐ見詰め返して下さる。そして「父に進言しておくよ。アムルはエリーゼ男爵に任せたい、と」そう言って下さった。今まで成り行きを見守ってくれていたアンナが「エリー」と微笑んでくれた。
「騎士団の一部と医師団は置いていきます。好きに指示を出してくれて結構です。そして、明日より行う街の復興に必要な人員と資材も用意します」
「な、何から何までありがとうございます殿下」
「シュトゥラの民の生活と安全を守るのが我々の務めですから。ところでエリーゼ嬢。先程から気になっていたのですが、彼は一体? あの銀の髪に紅と蒼の虹彩異色。シュトゥラ国内には居ない特徴です。どういう経緯でこの街に?」
殿下の視線の先にはオーディンさんとアギトが居た。明らかに殿下はオーディンさんを警戒している。わたしは事の経緯を包み隠さずに殿下に話す。敵対してほしくないから。
瀕死の重体のオーディンさんを山奥で見つけたこと、放っ
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