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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth3そして結末への旅が始まった〜Per aspera ad astrA〜
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です」

そう、オーディンさんが居てくれたから、わたし達は助かった。アンナが「あんた達なんかよりよっぽど頼りになるわ」って挑発的に続く。それを気にせずシュミット伯は「我々が来るまで? では先遣部隊を殲滅したのは彼が?」と戦慄してる。でもすぐにニコッと笑顔を浮かべてオーディンさんに向き直った。

「はじめましてオーディン殿。僕はラキシュ領領主ヨーゼフ・シュミット伯爵です。このたびは――」

「シュミット伯。残念だが今は挨拶している暇はない・・・!」

その言葉と同時に四方八方から灰色の甲冑の騎士が現れた。敵を視認した途端にオーディンさんとシュミット伯は駆けだして戦闘に移った。そして小さい女の子もオーディンさんに続いて戦闘開始。火炎の球や短剣を撃ち放っていく。
すると死神騎士たちが「なぜプロトタイプが敵に回っているんだ!?」「命中率が上がっているぞ、どういうことだ!?」「裏切ったな!」だとか口々に怒りを示す。あの女の子、まさかイリュリアの仲間だったの?

「アギト、気にするな。君の居場所はここだッ」

「っ・・・はいっ、マイスター!」

オーディンさんに、アギト、って名を呼ばれた小さい女の子の表情が輝く。あぁそうか。アギトという子はオーディンさんに惹かれたんだ。

「あたしはもうプロトタイプじゃないっ。あたしは・・・アギトだッ!」

炎球が騎士たちの動きを制して、その間にオーディンさんが槍で一突き。それで終わりだ。強い。魔導なんて使わなくても十分強い。それなのに・・・

「あの人、動きが変。それに顔色も悪いし呼吸も荒い。どうして魔導を使わないの?」

「・・・・うん。空に居たんだったらわざわざ降りないで攻撃すればよかったのに」

オーディンさんの身に何かが起きている。一体何が。おそらく「魔導が使えなくなってる?」だ。シュミット伯の戦う姿が視界から消えて、わたしの視界にはもうオーディンさんしか入らない。オーディンさんを包囲して一斉に襲いかかろうとする死神騎士たち。
アギトの援護は間に合わない。オーディンさんから魔力が発せられる。魔導を使うみたい。でもすぐに何事もなかったように消える。どこか痛いのか顔を顰めるオーディンさん。結局、地面を転がるようにして包囲から突破、切り抜けた。でも転がる最中にも攻撃することは忘れない。拾った剣で敵の脚を斬りつけていた。

(まさかオーディンさん・・・魔力が・・・?)

魔導を発動させようとしても出来ない理由。いくつか理由があるけど、一番しっくりくるのが魔力切れ。あれほどの高威力な魔導を連発していたんだから、魔力が空っぽになっててもおかしくない。だから、わたしはアンナに向いて「オーディンさんにクス・デア・ヒルフェを使う」とハッキリ告げる。

「・・・・はあ!? ちょっ、エ
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