暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth2この地にて友となる君に名を贈る〜ReunioN〜
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・ありがとうございます、心配でしたから」

「ああ。すぐに終わらせるから、少し待っていてくれ」

エリーゼがコクリと頷いたのを確認。すぐに騒がしい連中に視線を戻す。そこで連中の長(さっきの連中が言っていた団長だろう)が「静まれッ!」と声を荒げた。それだけでシンと静まる。目の前の団長はよほど部下達に信頼されているようだな。団長は大剣を下げ、「お前はアムルの者か?」と尋ねてきた。

「違うが」

「ならば去れ。我々イリュリアに忠誠を誓いし血染めの死神騎士団(マサーカー・オルデン)は、アムルの制圧に来ただけだ。部外者まで殺せという命は受けていない。我々とて騎士の端くれ。無闇矢鱈な殺生はしたくないのでな、速やかに立ち去ってくれると助かる」

これはまた随分と優しい事を言ってくれる。虐殺(マサーカー)の銘を冠した騎士団を率いている団長とは思えない言葉だ。しかし私の背後に庇っているエリーゼともう1人の少女からは強烈な憎悪と殺意がビシビシ伝わってくる。そうだよな。ここまで自分達の街を滅茶苦茶にされたんだ。解るよ、私も。

「そうはいかない。それに、もう私を殺す理由が出来ているぞ」

「なに・・・?」

「気付かないか? この屋敷の外が静かなのが」

両手を耳の後ろに添えて、耳をすませるようなポーズをする。団長の放つ空気がガラリと変わる。警戒から敵意へと。「何をした?」と声色を低くして訊ねる団長に、私は出来るだけ嫌な笑みを見せて「戦場で起こりうることは2つだけだ」と人差し指と中指を立てる。

「殺すか殺されるか、だ」

「馬鹿なッ! 我らはイリュリアの上位騎士団だぞ!」

「お前ひとりに潰されるほどやわではないわっ!」

他の連中は騒ぐが団長は取り乱すことなく「・・・各隊長に連絡はついたか?」と1人の騎士に問う。問われた騎士は首を横に振るのみ。それで団長も含めた全員から狂気じみた殺気が放たれた。

「名を問おう。我はイリュリア所属、敵国強襲騎士団が一、血染めの死神騎士団(マサーカー・オルデン)団長、ワイリー・ゾエ」

大剣を構えた団長――ワイリーの双眸がフルフェイスの兜の奥でギラリと光った。この男、相当強いな。さすがは一個騎士団の将と言ったところか。私も今まで以上の警戒を以って対峙し、名乗りを上げる。

「オーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード」

「大層な名だな・・・・どこぞの国の貴族か?」

「いいや。単なる旅人だ。この地へ訪れたのも偶然に過ぎない」

「ならばどうしてこのような・・・!」

私は背後に居るエリーゼを見る。隙だらけだが、さすが騎士という事もあって連中は奇襲をしてこない。レイピアを携えた少女がエリーゼを抱きしめる。警戒、されているな・・・。だがエリーゼだけは
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