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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth1ベルカに立つ魔術師〜Advent, Ancient MagE〜
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魔道世界アースガルド。それは、魔法の祖たる魔術が生まれた原初の世界。
“アースガルド”は、大陸・“聖域イザヴェル”以外がすべて海となっている世界だ。地上に一つしかない“聖域イザヴェル”に人間は誰一人として住んでいない。ならばアースガルドは無人世界か?
いや違う。“アースガルド”の人間が住んでいるのは、遥かなる空に浮遊している四つの大陸だ。“聖域イザヴェル”よりそびえ立つ“支柱塔ユグドラシル”。全高2万mという超が幾つも付く高層建築物“ユグドラシル”の半ば辺りを囲むように四大陸がして浮いている。

そして、四つの王族がそれぞれその四大陸を治めている。
“アースガルド”最初の王にして、“魔術”と呼ばれる能力を生み出した【原初王オーディン】の末裔である、“神聖なるものセインテスト王家”の治める“グラズヘイム”。
“清廉なるものレアーナ王家”の治める“ヴィーズブラーイン”。
“境界なるものフィルトゥティス王家”の治める“アンドラング”。
“絶対なるものクルセイド王家”の治める“ギムレー”。

その内のひとつ、“グラズヘイム”大陸の中央には途轍もなく巨大な宮殿がある。名を“ヴァルハラ宮殿”。一つの街がすっぽり入るくらいの大きさだ。いくつもの塔や離宮があり、噴水広場や花園、礼拝堂なども多く存在している。
それらを囲っている城壁は全てが黄金で作られている十二角形で、対魔力効果を有している。城壁の中央にドッシリと構えているのがセインテスト王家が住まう宮殿の本宮だ。一辺が8kmほどある正四角形状の本宮の外壁には、ルーン文字と呼ばれる“力”ある文字が描かれている。それだけで絶対的な防衛能力が設けられていることになる。

そんなヴァルハラ宮殿の離宮の内の一つ、スロール離宮。離宮と言えど内装は豪華絢爛の一言だ。天井には余すことなくシャンデリア。壁には美術品が多く並び、床は汚れ一つとして無いレッドカーペット。そのレッドカーペットの廊下をひとり歩く少年。
膝裏まである銀色の長髪。ルビーレッドとラピスラズリのオッドアイ。ルーン文字が縁にいくつも刺繍された足元まである白の長衣を着て、縁に複雑な装飾が施された白マントを羽織っている。王衣を身に纏っている少年の名はルシリオン・セインテスト・アースガルド。ここグラズヘイムの王だ。16歳にして一国を治める王となったルシリオン。それから1年経っての現在17歳。

「参ったな、言い出しておいての遅刻とは・・・」

ルシリオンが長い長い廊下を大股での早歩き。そしてようやくたどり着いた場所。スロール離宮の端にある広大な円形の大ホールだ。直径は600mくらいはあるだろう。天井はステンドグラスが敷き詰められ、壁際には燭台が何百と並んでいる。その大ホールの中央に、一人の少女が佇んでいた。

「すまない、シェフィ。会議で
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