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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth1ベルカに立つ魔術師〜Advent, Ancient MagE〜
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本邸には戻らない、か。どうやらここは別宅であるようだ。エリーゼは父親とケンカ中で家出中のようだな。エリーゼはぶつくさ文句を言いながら出て行った。完全に気配が遠ざかったのを確認して、「居るんだろ、マリア」と窓を見る。
スッと窓際に現れるマリア。“界律の守護神テスタメント”の衣装である神父服(キャソック)外套(マント)ではなく、白のブラウスに赤いリボン、黒のベスト、黒と赤のチェック柄のプリーツスカート、白のハイニーソックス、黒のローファー。契約執行待機中の服装だな、マリアの。

「調子はいかがですか、ルシリオン様」

「悪くはないな。これなら治癒術式(ラファエル)を10分程度使えば完治できる」

「・・・申し訳ありません。お救いした時にはもう干渉能力に制限を受けていましたので治せませんでした」

――傷つきし者に(コード)汝の癒しを(ラファエル)――

魔力上限をSSSランクに設定。治癒系中級術式ラファエルを発動。両手を膝の上に添えて頭を上げるマリアに、「助けてもらっただけで十分だから、気にしないでくれ」と動くようになった右腕をマリアに伸ばす。私の右手を取ってくれたマリアは、私が今一番知りたいことを話し始めた。

「エグリゴリについてですが、ルシリオン様をお守りする際、ある程度の攻撃を与えましたが、ほぼ無傷。ですが私の存在に警戒したのか、それ以上の戦闘を継続しようとはせずに退却しました」

「そうか。助かったよ、手加減してくれて。あの子たちとの決着は私がつけなければならない」

干渉能力が使えないとはいえ、それなりの戦力を有するマリア。“エグリゴリ”を相手にしても勝てるだけの力はある。それなのに一機も撃破しなかった。私の思いを解っていてくれたからだ。

「・・・ルシリオン様。私はしばらく契約待機状態となるようなんです。ですが、だからと言って今回のように、いつもお助けすることは出来ません。契約した“界律”との条件で、その世界から出ることに制限を受けるんです」

「それで構わないよ。私は私の戦いを。マリアはマリアの契約に専念してくれ」

「・・・はい、ルシリオン様。ではこれにて失礼させていただきます」

現れた時と同じようにスッと姿を消したマリア。掴むものが無くなった右手をベッドの中に戻し、もう一眠りするために目を閉じた。次に起きた時には完治しているだろう。それからエリーゼとカールという医者に礼を言って、早々に立ち去ろう。

†††Sideルシリオン⇒????†††

オーディンさんの事を見習い仲間のモニカとルファに任せて、別宅を出た。オーディンさんが目を覚まして、わたしは話をしたよ、って言ったら二人はびっくりしてた。それほどまでにひどい怪我だったんだから。それにしても・・・


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