暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth1ベルカに立つ魔術師〜Advent, Ancient MagE〜
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か・・・。ううん、ここは信じよう。いざ思念通話でアンナに助けを呼ぼうとしたその時、

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」

「なにっ?――きゃっ?」

屋敷の外から悲鳴が。それだけじゃなくて爆発音が連続で轟いて、振動で屋敷が揺れた。窓にへばり付くようにして外の様子を見る。街中の至る所から炎や黒煙が噴き上がってる。中庭がガヤガヤと騒がしくなる。見れば父様が騎士甲冑を武装していた。男の侍従たちも騎士甲冑姿。どうしてそんな戦場に向かうような格好で――そんなまさか・・・。

「アムルが襲撃を受けてる・・・!?」

そうとしか考えられない。鳴り止まない悲鳴と爆発。急いで扉に向かって、ドアノブをガチャガチャ動かすけどビクともしない。「開けて!」ってドンドン叩く。その間にも続く悲鳴と爆発音。それから間もなくガチャって扉が開いた。そこには息を切らしたアンナが顔を青くして居た。

「エリー! 急いで逃げて! イリュリアが攻めてきた!」

イリュリアが攻めてきた? それってつまりシュトゥラに戦争を仕掛けて来たってことだよね。だけどいつかこういう日が来るかもしれないって心のどこかで思ってた。アムルは、シュトゥラの交易都市ラキシュ領の一画だ。イリュリアはアムルを落として、ラキシュ領占領の足がかりにするつもりなんだ。わたしはアンナに引き連れられて、避難するために廊下をひた走る。でもここでふと気付く。オーディンさんを放置したままだ。

「アンナ! 別宅に行かなくちゃ!」

「ダメっ! もしあの男の人の心配をしているのなら諦めて!」

オーディンさんを見殺しにする? そんなの出来ないよ。どうしてか判らないけど、オーディンさんは死なせちゃダメな気がする。それに、わたしの初めての患者さんだ。見捨てるわけにはいかない。カール先生にですら意識を取り戻すのは難しいかもって言われたけど、オーディンさんは起きた。
だったら完治するまで面倒を見るのが医者の務めだ。

「お願い、行かせてアンナ! 放っておけない!」

「あーもう! 一度言い出したら聞かないんだからっ!」

アンナの手を振り解いて、わたしは馬小屋へ向かうために走る。中庭を走っている最中、正門から騎士甲冑を着こんだ数人の騎士が侵入してきた。それぞれ剣や槍や斧を携えた血色の甲冑の騎士たちが、わたしとアンナを見る。
甲冑の右肩の装甲に、骸骨に二つの鎌っていう騎士団章があるのが判った。隣国イリュリアの敵国強襲騎士団のひとつ・・・「血染めの死神騎士団(マサーカー・オルデン)・・・!」で間違いない。

「虐殺者の集まりが攻め込んでくるなんて・・・」

終わったかもしれない、わたしの短過ぎる人生。死神騎士団が相手じゃ・・・。絶望していると、アンナが「エリーだけでも逃げて!」ってわたしを庇うように前に
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