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少女1人>リリカルマジカル
第五十四話 思春期G
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ことなく、そのまま寄り添うような体勢で―――


「私はね、ティオ君のこと大好きだよ!」

 天真爛漫な天然(笑顔)を発動させた。


「――、――――」
「だから、そんな風に自分のことを言ったら、メッ! なんだよ。それに、私嘘なんて言ってないもん。ティオ君はもっとちゃんと……、ティオ君? ねぇ、ティオ君。おーい、ティオくーん!」

 完全にフリーズした友人に、アリシアは相手の腕から手を放し、彼の目の前で手を振ったり、跳んだりした。それでも反応がなくて、ぺしぺし軽く叩いたり、わき腹をつんつんしてみる。だが、やはり反応はない。本当に訳がわからなさそうに、少女は首をひねった。

 それから1分後。純情な1人の少年が、ぷるぷると震えながら項垂れた。ただ、項垂れていた。耳すら通り越して、真っ赤になって悶えていた。アリシアの言葉は、ある意味ティオールの悩みを吹っ飛ばすほどの、クリティカルヒットを食らわせたのであった。

 彼の中に巻き起こった葛藤やら何やらを察してくれる人物は、残念ながらこの場には誰もいなかった。



「私、考えたんだけど……前に魔法の勉強をした時にね。お兄ちゃんとお姉さんと、色々な魔法のお話をしたことがあったんだ」
「うん、うん……」
「それでね、確かスターなんとかブレイカーって、すっごい必殺技があるって言っていたの。だからこれをマスターしたら、ティオ君だってきっと必殺仕事人になれるよ!」
「うん、そっか……ブレイカーかー」
「あと、えっと……あっ! それとね、脱げば脱ぐほど強くなる魔法もあるって言っていたよ。びゅーん、ってなるんだって」
「ぬ、……パージ、か? 速度促進魔法か…」
「あとね、あとね!」

 色々悟ったというか、煤けたようにアリシアの案にうなずくティオール。相談にのっちゃうぞ! とちょっと空回りしながらも頑張るアリシア。凸凹な2人の作戦会議は、こうして始まったのであった。


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