志乃「早く寝たい……」
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気出す。誰か飲む奴いないか?」
「……兄貴、私飲む」
「分かった。じゃあ俺と志乃だけ淹れるからな」
先程から俺に対する怨嗟の言葉を吐き続ける志乃と俺のマグカップを用意し、コーヒーの準備を始める。頭いてぇ。ホントあいつらすぐ帰せば良かった。
この際インスタントでいいや。少しでも早く意識を取り戻すためだ、つかマジで眠気覚ましたら本気出してやる。俺の実力舐めんな。
俺が心中で幼馴染に対する闘志を露わにし、出来たインスタントコーヒーを志乃に持っていく。
志乃は体育座りをしながらコントローラーを頑張って握っていた。少し気を許すと落ちそうになっていて、とてもレースに参加出来る状況では無かった。綾乃が笑顔で胸を揉もうとする度に意識を覚醒させ、しばらくはそれを保つのだが、時機にじきに睡魔に襲われる。それを繰り返していた。
「志乃、コーヒー」
「……兄貴、早く寝たい……」
「もうちょっと頑張れ。多分一時間もすればこいつら勝手に寝るから」
思えば、綾乃と健一郎はいつもこんな感じだった。
基本インドア派の俺と志乃を外に出して、遊びに参加させる。最初はうんざりするのだが、気付けばハマっていた。俺にとって、こいつらは新しい景色を見させてくれる案内役みたいな感じだった。
これがテレビゲームや漫画とかになると俺がリードするのだが、その時のこいつらがまた強敵だった。
テレビゲームをやれば今みたいなイカれた風景が出来上がる。漫画なら、最後まで読もうと何とかする。俺の家にある漫画で最終巻まで揃っていなかったら買いに行く事もあった。
くそ、志乃に仕返しするつもりが俺まで被害食らっちまったじゃねぇか。
「……志乃、さっきは悪かった。これは俺の責任だ」
ここは素直に謝ろう。実際、俺が悪いのは本当だし。
「……もう遅い。でも」
「ん?」
「……何でもない」
こいつ、今なんて言おうとしたんだ?まぁいいか。きっと眠いんだよな。だからさ……。
「俺はここで誓うよ」
ああ、やってやる。妹のためだ、徹底的にやらせてもらう。
「お前を寝かせてやる。ちょっと待ってろ」
「……。……?……!?」
志乃が何かびっくりした顔をしている。ん?顔赤くね?もしかして熱あるのか?
「……兄貴変態」
俺を咎めるような顔でそんな事を言っている。って、何で俺が批判されてんの?
「いや、俺は変態じゃねぇし。まぁ待ってろ」
「大丈夫、コーヒー飲んだから」
「そんなんじゃダメだ。寝かせてやっから」
そう言い残し、俺はテレビゲームに盛り上がっている二人の幼馴染に話しかける。
「ちょっと志乃が
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