DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十九話
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れを、なんとぶん投げて使用するのだ。もちろん、自らの手に握って使うこともする。真っ向から立ち向かったカズは、一切の反撃ができないままにこうしてぼろぼろにされてしまった。
「うぅ……」
「…………」
倒れ伏すハクガをじっと見ているだけなのは、ディスティニーと名乗った少女だった。あのシスカープを一撃で沈めた時から薄々想像していたが、その剣閃とセンス、そして攻撃力はもはや人外のレベルを極めている。どれだけ遠距離からでも、刃を届かせる距離まで一瞬で間合いを詰めてくる。
それに―――彼女と戦っていると、自分の中で何かが二つに乖離していくような錯覚を受けるのだ。
「……あなたは……そうですか。なるほど……」
一人、何かに納得した様にハクガを見つめたディスティニーは、それっきり興味を失ったかのようにどこかを向いたままだった。
そして――――何よりも絶望的だったのが、ホロウの強さだった。
「はーっ、はーっ……ぐっ……」
「あらあら、もう終わりですかぁ?立て直すまで待っててあげますから、もっと来てくださいね」
純白の細身の長剣を、二刀流にしたホロウは、この人外少女たちの中で最も強かった。すでに戦闘開始の直後から、コクトが一度も彼女に攻撃を当てられていない。さらに彼女の恐ろしい所は、コクトが一撃で倒されない様に手加減をしているところだ。手加減をするのは、実は全力を出すことの何倍も難しい。それをあっさりと成し遂げてしまう彼女の実力は、明らかに『オカシイ』のレベルであった。
「あぁ……もう終わりなんですね。もうちょっと頑張ってもらってもよかったのになぁ……じゃぁ、長く苦しまない様に、すぐ殺してあげますね。
『十九八七六五四三二一〇
いと尊き我が兄に、この想い、伝えよう』」
そして紡がれる祝詞。それの完成はハクガ達の破滅を意味していた。だが、それを止めるべく動くことができる存在は、この場に誰一人として存在していない。
「『私の剣と意志はあなたの座を守護るべく在り
この心は私が愛しき者のために有らん。
されば私は彼のために、この剣で我が主を守らんと欲す。
ユニットID【ホロウ・イクス・アギオンス・スプンタマユ】より、《マスターズメモリア》にアクセス。
アビリティコード《パーフェクト・アリス》を経由し、アビリティコード《楽園の終末》を実装します』
――――さぁ、堕ちてください、弱き世界の皆さん」
ホロウが白光を纏った二刀を振り払う。発生した純白の光は、ハクガ達に終焉をもたらし―――――
その体を、《ジ・アリス・レプリカ》の世界から切り離した。
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