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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十七話
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備える六門神だ。冷気ダメージには多少の耐性がある。そもそもコクトの《冥刀》は《ギア》アイテムだ。セモンやリーリュウの持つ、世界最強のアイテムとしての《冥刀》と比べれば、そのランクは一段階程度落ちるだろう。最強の《冥刀》の一つとされる《断裁(タチハギ)》との実力の違いは雲泥の差のはずだ。世界の何処かにあるという最強の《冥刀》達の様に、エクストラダメージで六門神を沈められるほどの強力な武器ではないのだ。

「ゾリャァッ!!」

 猛々しい気合いと共に、ウォルギルが右手に持った長剣をぶん投げる。鍛え上げられた筋力値と、風属性六門神の《投擲武器強化》スキルによって、凄まじいスピードへと加速した長剣が、コクトを貫かんと迫りくる。

「……っ!」

 コクトは刀カテゴリ用防御ソードスキル、《鉄扇》を起動する。扇状に切り払われた《凍》が、長剣をかろうじて弾き返した。だが、その次の瞬間には、ウォルギルが迫っている。見れば、その右手にはすでに新しい長剣が錬成し終って、しっかりと握られているではないか!

 全く、誰が『三重属性は微妙性能だ』と言ったのだろうか。三種類の属性の強力な特性を併せ持ち、バランスのとれたステータスを持つ。四重属性よりはよっぽど汎用性にも長けている。ウォルギルはさらに、自分の属性と向き合うのがうまい。自らの六門属性や、それに導かれた《本質》をしっかりと理解し、その力を最大限に引き出して戦っている。

 特定の六門属性専用のスキルを、別の六門属性の属性専用スキルと組合わせて、その実力を底上げする戦い方。パワー型だからと言って、決して『脳筋』ではない。彼とて、天才ハッカー集団《ボルボロ》の最高幹部組織、《小さな鍵(レメゲトン)》の一石を占める天才なのだ。ひとたび…たとえ見知らずの『誰か』の息がかかっているとはいえ…電子で作られた仮想世界へと降り立てば、そこはもう彼の戦場だ。この男が偶然SAOソフトを入手することに失敗したのは行幸だった。もしウォルギルがアインクラッドの大地へ降り立っていたら、歴史はまた違ったものとなっていただろう。

 ウォルギルの長刀がうなりを上げる。コクトにはソードスキルのディレイによる致命的な隙がある。本来ならば、ウォルギルの片手に剣がないことを想定して先ほどの防御策を取ったのだ。その予想が崩れた今、当然コクトの組み立てていた戦略も見直さなければならない。

 ウォルギルの戦い方は、二刀流による圧倒的破壊力、突破力、重量、そして、属性専用スキルの複合による《ソードビット》攻撃。さらには武装錬金による無尽蔵の武器作成。確か《武装錬金》スキルには、使用回数及び使用可能時間に限りがあるという弱点があったはずだが、いかなる手段によってか、それは解除されているらしい。左手の武器はいまだ消えていない。

 間
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