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魔法使いへ到る道
2.友達の家に行って外で遊ぶって本末転倒だよね
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になっている。 
 なのはとアリサとすずかは同じ方向のバスらしく朝は一緒に来ているらしい。俺ん家は反対方向にあるのでここまで来たら帰るまでの距離は延びることになるのだが、まあ子どもの付き合いというのはそういうものなのだろう。
 というか、この家すごいね。家自体は普通の一軒家なのに敷地が広い。家の裏に道場らしき建築物が見えた。高町家ぱねえ。
「この時間はお父さんもお母さんもお店なんだ。もう少ししたらお兄ちゃんかお姉ちゃんが帰ってくると思うから」
「うん?なのはのお父さんとお母さんはどこかのお店で働いているの?」
「アンタ知らないの?なのはの家は『翠屋』っていうケーキ屋さんを営んでるのよ」
 マジでか。
 その名前には聞き覚えがある。というか何回かそこのケーキ食ったことあるわ。去年の誕生日に食べて感動した記憶がある。
 そっか。なのはの家がやってる店だったのか。ううむ、なんという偶然。人の出会いとは摩訶不思議なり。
「さ、入って入って」
 なのはの先導に従って廊下を進み、リビングに入る。
 なのはがトテトテとキッチンへ行きお茶を用意しようとしたので手伝う。人数分の麦茶をコップに注いでテーブルに運んだ。
「それで、なにして遊ぶ?」
 全員が一口ずつお茶を飲んだところでアリサが切り出した。って、考えてなかったのかよ。
 いや。もしかしたら男の俺がいるからこうなったのかもしれない。女の子だけならやることもすぐに決まったのかもしれない。
「私はなんでもいいよ」
「なのはもー」
「そう……じゃあケンジは何かしたいことある?」
 俺に振るのか。
 さてどうする。遊びの内容なんかで悩むことになった原因が俺にないとも言えないのだ。ならばここは自らナイスアイデアを提供するのが筋と言うものだろう。
 しかし、何にしよう。これが男だけなら適当に外に出て遊ぼうと言い出せるのだが、ここにいるのは女の子である。アリサはともかくとして、すずかは運動はできるが基本的におとなしい子だし、なのはにいたっては運動神経が切れているといってもいい有り様である。あまり激しい動きをするのは好ましくないだろう。
 ならば、だ。
「かくれんぼ、とかどうだ?」
 言っておいてからなんだが、 コレは外したと思った。家で遊ぶって言ってんのにかくれんぼはないだろう。
 と思ってたら、
「悪くないわね。なのは、大丈夫?」
「うーん、お父さんとかの部屋に勝手に入らなければ平気だと思う」
「それじゃ、決まりだね」
 意外に好感触。トントン拍子に決まってしまった。まあキミらがいいならいいけどさ。そしてレッツじゃんけん。グー、グー、グー、チョキで一発で決まった。
「うっ…私が鬼かぁ」
 悔しそうにすずかは自らのチョキを見る。可哀想だけど、これも社会の厳しさというものなの
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