第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十一話 一時の安らぎ
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あった神奈子と諏訪子に似た人形を一体ずつ手に取り店主にお金を渡し会計を済ませ店を後にする。
「あぁそうだ、こいしちょっと帽子を貸してくれるかい」
「え?いいよ、はい」
僕はこいしから帽子を受け取るとちょっとした術式を組み込んでいく。三人はそれを不思議そうに眺めていた。今やっているのはちょっとした強化の術、強化といっても多少長持ちさせる程度のちょっとした小技だ。
こいしの帽子が終わったら次に地子の帽子、その後にさとりの髪留めにも同じ術式を組み込みそれをさとりに渡した瞬間視線の様なものを感じて中空に目を向けたがそこには何も居なくて何の気配も感じなかった。
「どうしたんですか兄さん?」
「え?いや何か視線?を感じたからちょっとね」
「ん〜〜別に何も無いよね」
「だねー」
僕の台詞にこいしと地子がそんな事を言いながら空に視線を向ける。二人の言う様に空には何も居らず雲一つ見えない。
「まぁ気のせいだろうね、最近気を張り詰めてたからな〜」
「「 ?ばっかり 」」
さとりとこいしにそんなツッコミをされながら僕達が移動しようとした時スキマが開き中から紫が姿を現した。
「ここにいたのねお父様、さっき諏訪子からお父様宛に手紙が届いたのよ。使いの者が急ぎで渡して欲しいらしくてね」
「諏訪子から?何かあったのかな」
僕は紫から受け取り封を切ると手紙を開いた。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
正直言って驚いた。まさか感付かれるなんて思わなかった。まぁ完全に気付いた訳じゃなく何となく感じた程度みたいだけど霧状になってるあたしに気付けるなんてね。
百鬼丸にあれほど恨まれているからどんな奴かと思っていたら何か大した事なさそうなヒョロ男。威圧感も無いし凄みも感じない、と思ってこのまま偵察するより殺っちゃった方が手っ取り早そうと思い一瞬だけ殺気を立てたら行き成りこっちを見るんだもんな。偶然かもしれないけど念の為慎重になるか。
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