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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百七十四話 ヴィレンシュタイン星系で
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いようですね」
「確かに、そうだな」

不思議に思うのが、今回此処まで来た正規艦隊司令官で私とミッターマイヤー提督だけが呼ばれ、ビッテンフェルト提督が呼ばれていない事だった。そんな話しをしているとケスラー提督が部屋へ入室してきた。

「2人とも待たせて済まない」
ケスラー提督が我々に頭を下げる。

「お気になさらないで下さい、我々も先ほど来たばかりですから」
「そうです」

ケスラー提督、礼儀正しく誠実で清涼感がある好感の持てる人物だ。彼と共に第5次イゼルローン攻防戦、ヴァンフリート星域会戦を戦い続けた。現在尤も信頼できる上司であり、テレーゼ殿下の信頼も厚い功臣と言えよう。その彼からの招聘だ、何かあるなと私の勘が騒いでいた。

「卿等に来て貰ったのは、今後のことについて話すためだ」
「今後の事というと?」

「卿等に此処まで来て貰ったのは、訓練だけでは無い」
やはりそうか、完熟訓練と言うが、既に艦隊には不安がないほどの状態だ。その状態で訓練するのであれば、レンテンベルク要塞辺りで十分なはずだと思っていたが、何があるんだ?

「訓練だけでは無いとはどうゆう事でしょうか?」
「ミッターマイヤー提督の疑問だが、卿等に約束して貰いたいが、此から言う事については例え参謀長にも他言無用にして貰いたい」
「それほどの事とは?」
やはり何かある。
「今回、殿下のイゼルローン慰問と捕虜交換の謁見であるが、その後に殿下は直ぐ帰還せずに、新年をイゼルローン要塞で年忘れライブを観覧する事に成っている」
ライブ観覧……いやそれは確かに極秘で有ろうが、それで艦隊を動かすほどでは無いのでは?

「ケスラー提督、艦隊の意味が判らないのですが?」
ミッターマイヤー提督の疑問は判る。

「卿等、そう焦ることは無い、ここからが本題だ。殿下の極秘の行動だが、既にフェザーンから叛徒共に知れ渡っている事が判明した」
「ケスラー提督、それは危険ではありませんか!」

ミッターマイヤーの言いたいことは私の言いたいことでもあるが、ケスラー提督はニヤリと笑うだけだ。何があるんだ?

「卿等の言いたい事も判る。しかし此は陛下も殿下も国務尚書、軍務尚書もご存じの事なのだ」
「それは?」
「現在帝国は嘗ての晴眼帝の頃の自然休戦状態に持っていくために、捕虜交換を行おうとしているのだが、それが判らず、選挙の票集めだけのために叛乱軍は騙し討ちをしてくる可能性があると情報部から上がってきている。それならば情報を元にして、躾の悪い連中に確りとした、お仕置きしてやろうと言う事になってな。その為に少しでも叛乱軍にイゼルローン要塞攻撃をさせ易くさせようと殿下御自らが囮にお成りになる」

「馬鹿な!そんな危険な事を何故するのですか!」
「そうですぞ、殿下に
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