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駄目親父としっかり娘の珍道中
第59話 最近出ない奴に限って意外な場面で出てくる時って多いよね
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だ?」
「なぁに、土方と打ち合いをしている間に覚えてな。奴の変則的な太刀の動きは実に参考になる。我等の居たベルカにもあの様な剣捌きはなかったからな」

 嬉しそうに笑みを浮かべる。どうやら真選組にお世話になった事によりこの世界の剣術を学ぶ事が出来たようだ。彼女にとっては正に嬉しい収穫だったのだろう。
 
「あ、あれがシグナムの姐さんやヴィータちゃん達の本当の実力だったんですか?」
「いや、あれでもかなり抑えられている位だ。やはりこの世界に居る間は思うように戦えないのが痛いな」
「いや、充分活躍してるじゃないですか! これでまだ不十分なんですか?」
「あの程度の雑魚なら二人で掛かれば10分と掛かるまい。それがあいつらの実力だ」
「す、末恐ろしい―――」

 改めて、守護騎士達の凄さと恐ろしさを痛感する山崎だった。
 そんな時、怪我した場所の痛みが徐々に引いて行くのを感じた。見ると、右腕の火傷の場所にシャマルが手を当てて治療魔法を施してくれていたのだ。
 見れば、他の隊士達も皆怪我の治療をされて全快しているのが見える。

「これ位の傷なら何とか治せるわ。御免なさいね、此処じゃ私達は実力の半分位の力しか出せないから余り大きな怪我を治すのには時間が掛かってしまうのよ」
「い、嫌……それでも充分凄いと思うんですけど。ってかあんたらそんなに凄かったのに何で今までそれを使わなかったの? それ使えば凄い楽に攘夷志士とか逮捕できたじゃん!」

 騎士達の戦い振りを見て疑問に思った山崎が叫ぶ。その疑問を聞き、ザフィーラがその質問に応じた。

「郷に入っては郷に従え。江戸ではこんなことわざがあるそうだな。確かに我々が魔力を駆使すれば奴等を逮捕するのは造作もないだろう。だが、我々とてこの力を無制限に使える訳ではない。これだけの派手な戦闘が行えるのは以ってせいぜい1時間が限度だ」
「ど、どう言う事ですか、それ?」
「この世界では我々の元居た世界に比べて魔力濃度が極度に薄い。その為体内で魔力を生成するのも困難な状況なんだ。その上何故かは知らんが魔力の消費量も以前の世界に比べて格段に増してしまっているのだ。無闇やたらと使う訳にはいかないのが今の我々の現状なのだ」

 騎士達の居た元の世界。
 即ち海鳴市ではそれなりの魔力濃度があった為に魔法を用いての戦いや飛行魔法の使用が出来た。
 だが、江戸ではその濃度がかなり薄くなってしまっているのだ。
 その為、体内で魔力を生成するのも困難な状況である上に魔力の使用量までもが増加してしまっていると言う嬉しくないペナルティーの連鎖状態なのだ。
 なので、下手に魔力を使い続ければ最悪命に関わる問題になる。
 なので今の今まで彼女達はその魔力を極力温存してきたのだ。
 そして、今この時にその魔力
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