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駄目親父としっかり娘の珍道中
第59話 最近出ない奴に限って意外な場面で出てくる時って多いよね
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ュゥゥッ!

 だが、出て来たのは真っ黒い液体。つまり、醤油だった。

「言い忘れてたが一度撃った後最充填するのに結構時間が掛かってなぁ。だが安心しろ。その間は醤油指しに早代わりだ」
「何で醤油アルかぁ! 意味無いじゃねぇかこれぇ!」
 
 その醤油に対する愛着は何なのか?
 そう思えてしまう今日この頃であった。
 とまぁ、そんなこんなしていると、更に大勢のメイド達が後方から押し寄せてきた。だが、生憎神楽の傘は充填中なので第二射には時間が掛かるようだ。
 
「おいおい、どうすんだよこれ? じいさん、俺達のには何かないのか?」
「何言ってやがるんだ? お前等のもちゃんと手を施してあるわぃ! まずは銀の字、お前は木刀の柄を押せ! そして金の字はデバイスのトリガーを引け!」
「って、私のバルディッシュにも手を加えたの? 何時の間に……」

 不安を覚えつつも銀時とフェイトは言われた通りに行動をする。銀時は木刀の柄を押し、フェイトはバルディッシュのトリガーを引いた。

 ピュゥゥッ!

 双方の得物の先っちょから勢い良く飛び出たのは神楽の時と同じ真っ黒な醤油であった。

「醤油が出る。卵かけご飯にするなり納豆ご飯にするなり好きにしな」
「「だから何で醤油ぅぅ!」」

 あ、はもった!
 互いにはもりながら襲い掛かってきたメイド達を一振りでなぎ払った。
 それにしても案外仲が宜しいようで。と思ってしまった読者の皆様は銀時とフェイトの二人の射殺すような睨みを全身で受ける羽目になるだろう。
 まぁ、作者本人には全く関係ないのだが。

「他に何か機能はないの? ねぇ、何かあるんでしょ? まさか―――」
「あぁ、生憎時間がなかったんでなぁ。醤油が出る機能しかついてねぇんだよ。まぁ、弄ってやっただけでも有り難いと思えや」
「ちっとも有り難くないわよ! 私のバルディッシュを返して! あの時の私の愛しいバルディッシュを返しなさいよぉぉぉ!」

 よよよと涙を流しながらバルディッシュを抱き締めて泣き叫ぶフェイト。そんなに悲しいのだろう。愛すべきバルディッシュがよもや異界の技師によってギャグの一旦を担う羽目になってしまったのだから。

【マスター、ご安心下さい。この機能があれば卵かけご飯を食べる時などにわざわざ醤油を探す必要はありませんよ。私さえ居れば醤油要らずですよ。そうすれば醤油をわざわざ買う必要もなくなり奥様のお財布にも優しい事この上ない事間違いなしですよ!】
「バルディッシュ。必死にフォローしているようだけどなぁ、全然フォローになってねぇぞ」

 バルディッシュの目の前では地面を何回も叩いて大泣きするフェイトの姿があった。そんなフェイトを見てバルディッシュは自分の至らなさを悔やむ次第であったりした。まぁ
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