第59話 最近出ない奴に限って意外な場面で出てくる時って多いよね
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その光景を目の当たりにしたシグナムは顔面蒼白になり、かたやヴィータは愛機が突然消えてしまった事にようやく気付き、辺りを見回してアイゼンの捜索を始めていた。
「わぁぁぁ! 局長がぁ、局長がやられたぁぁぁ!」
「しかも近くにあるのってこれってもしかして、あのハンマー娘のハンマー?」
「って事はあのハンマー娘もやられたのか? どうすんだよこれ? もう無理じゃねぇか、無理ゲーだよこれぇ!」
更に不味い事に、倒れて血塗れになっている近藤とその近くに落ちていたアイゼンを偶然見てしまった隊士達が近藤、ヴィータの両名が殉職してしまったと勘違いし士気が駄々下がり状態になってしまった。
こうなると最早形勢の逆転は難しい事間違いなしにも見える。
「ちょっと貴方達、何やってるのよ! 真面目に戦ってよ」
その後方では大多数の患者をたった一人で治療しているシャマルの姿があった。孤軍奮闘していた為か頬が痩せこけてしまっており目の下にはくまが出来上がり息もかなり荒くなっていた。
どうやら治療で相当魔力を消耗してしまったらしくかなりやばい状況らしい。
「す、すまないシャマル。ちょっとした事故があって今こっちも厳しい状況なんだ」
「ちょっとした事故って何よ? さっき見たけどザフィーラの後頭部にはヴィータちゃんの魔力球が叩きつけられてるし、近藤さんの脳天をブッ叩いたのってあれ確実にヴィータちゃんのアイゼンでしょ? 貴方達味方同士で潰し合いしてる場合じゃないって事位分かってるでしょ?」
段々シャマルの額に青筋が増え出して来た。普段は白衣の天使、若しくは某白い木馬のおふくろさん並に笑顔を振りまいている彼女が怒りだしているのが分かる。
このままだとその怒りの矛先が自分に向けられる事に危険を感じたシグナムは、咄嗟にある行動を起こした。
「そ、そもそもの原因はあそこで同士討ちしている土方と沖田が原因だ。あいつらが喧嘩紛いな事をしたせいでこうなってしまったんだ! 私が言うから間違いないぞ」
「ふぅん、あの二人のせいなのね―――」
静かに納得すると、シャマルはまるで浮遊霊の如くゆったりと、そして不気味な足取りで未だに喧嘩を続けている土方、沖田の近くに歩み寄った。
そして、主室に二人の肩にガッと手を置く。手の感触に気付き、二人は首を向ける。そして、二人は見てしまった。
普段のシャマルは絶対見せないであろう恐ろしい形相を。
「あ、あの……シャマル……さん?」
「貴方達、真面目にやってくれない? こっちはさっきから増える怪我人の応対で死に物狂いだってのに何ふざけた事してんの?」
「えと、あの……何か、すんませんでした」
普段見せなかったシャマルの鬼顔にかなりビビッたのか真っ青になっていく土方に対し、沖田は相変
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