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とある彼/彼女の籠球人生
第四話
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ではない。二人の性格を考えればやられたまま引き下がるのを良しとしない。この落ち込みようは負けたことだけでなく、勝負の内容そのものも影響している。


「あかりん……」


どう声を掛けるべきか悩む朱里だったが、それより先に琴那から声を掛けられた。


「はい、何でしょう? あと、そのあだ名で呼ぶなと何度━━━━」


「あいつら、特にデカい方! 同じ学校なんだよね!?」


「えぇっ!? あ、はい」


「バスケ部!? あんな奴が今まで無名っておかしくない!?」


「いえ……部活に入るとかはしてなかったかと━━━━」


琴覇も混じっての突然の質問責めに、朱里の抗議はあっさり流された。


「あっ! でも、中学校に上がったらバスケ部に入られるとか━━━━」


「よし!! リベンジは中学に上がってからだ!」


「それまで練習だ、練習!」


(私も人伝に聞いただけなので、水無月さんがバスケ部に入られなかったら非道い目に遭うんでしょうね、私……)


朱里の内心を余所に二人はどんどんヒートアップしていく。


「いっくよ! あかりん!!」


「だからそのあだ名で呼ぶなと何度言えば……と、いうか……お二人の小学校だと中学は私達と同じになるのでリベンジは出来ないのでは━━━━」


「「…………あっ!!」」


「それ以前に私はこれから体育館を閉めて鍵を返しにいくわけなんだけど……三人共まだ続けるつもりかしら?」


「「ひっ……コーチ……!?」」


「ちょっ……コーチ! 三バカみたいに纏めないでください!」


「「あかりん!?」」


そうして彼/彼女達の小学校最後の一年は過ぎていった。
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