第四話
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
で相対する琴覇を観察しながら夏音は攻撃の手を模索する。
(見た感じ反応は良さそうだよな。パスのタイミングも上手かったし、悔しいけど、連携も相手の方が上っぽいな……)
自分と皐月の能力、僅かばかりの間に得られた相手の情報。徐々に自分の選択肢を絞っていき━━━━。
(高さで勝負すんのは簡単だけど、それじゃこんな事してる意味も無い。
なら━━━━!)
自分の行動を決定。実行に移すべくドリブルを行い琴覇との間を詰める。
(来た! 速い……!)
ドリブルで突っ込んでくる夏音を見て琴覇も動く。右側から抜けようとする夏音に対し彼女も一歩踏み出し━━━━。
「ッ……!」
レッグスルーで切り返す夏音を見て踏みとどまった。
(こいつ……!?)
だが、夏音はそこで止まらず琴覇に背中を見せてバックターン。ドリブルする手を戻し再度右へ。
(やっぱ右から━━━━!?)
琴覇が重心を右に傾けたところでまた夏音がドリブルする手を替えながら左へと切り返す。それを追おうと無理やり重心を戻そうとして━━━━。
「へっ……?」
「琴覇!?」
そこまでだった。ステップバックする夏音を琴覇は“後ろへ倒れこみながら“見送った。
「よっ……!」
倒れ込む琴覇を尻目に夏音はジャンプシュート。放たれたボールは放物線を描いてゴールリングを潜った。
「よし!」
小さくガッツポーズする夏音を、琴那は琴覇を助け起こしながら見上げる。
「この感じ━━━━」
「うん……“あいつ“ソックリ……」
二人が思い出したのは今年の全国大会の準決勝。そこで相対した一人の選手。二人掛かりで行ったにも関わらず、小学生とは思えない動きで相手にされずコートを駆け回った少女。プレイスタイルはまったく違う。容姿が似ているわけでもない。
それでも━━━━。
「「負けない……!」」
二人の戦意をかき立てるには十分だった。
「ありがとうございました!!」
「ありがとうございました」
二人で頭を下げてから夏音と皐月は連れてきてくれた男性と体育館を後にする。ちなみに娘と一緒に帰ることを拒まれた男性は肩を落としながら帰っていった。
「…………」
帰って行く三人の背中を見送ってから朱里は俯いて黙る双子に向き直った。
勝負の結果は3ー1で二人は敗北した。途中、夏音との勝負を避け皐月を抜く作戦に切り替え一点は返したものの、攻撃を止めることが出来なかった。
「お二人共━━━━」
その一点にしても彼女達の本意
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ