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乱世の確率事象改変
〜幕間〜 白き蓮に休日を
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からそろそろ休んでください」

 茫然と二人を見やる。まさか私に休めと言ってくるとは思わなかったから。

「何言ってるんだ? 長引いた日でも夜半を超えるかどうかには仕事も終わってるし――」
「白蓮殿、今日は昼過ぎから休みとしてくだされ。むしろ明日も休みでいいかと」

 何故か星も真剣な表情に変わり、言い終わる前に遮られた。夜にちゃんと寝れてるんだから大丈夫なのに。早くに仕事が終わった時は秋斗達と二日酔いにならない程度に飲み歩いたりしてるから息抜きも十分なのに。まあ……桃香達が来てからここ二か月程は休日を覚えていないが。

「よし、なら城の文官全員に白蓮の仕事を割り振って休みを作ろうか」
「お前にしては中々いい案です。偶には張純にも徹夜させてやりましょう。部下に仕事を押し付けて、大体の日は夕食時にさっさと帰ってますからね」
「部隊長の練兵訓練にも最適……軍事関連も問題は無さそうだ」

 そのまま三人は私の事はお構いなしに話を進めて行った。
 気持ちはありがたいが、部下達に無理をさせるわけにはいかないので口を挟もうとすると、

「お前が休まないなら城の奴等を脅して全員で休暇を取るぞ」
「なっ」

 秋斗が私を脅迫してきた。さすがに城のモノ全員に休まれると仕事どころじゃなくなる。
 厳しい瞳で見つめてきた秋斗は、ビシリと私の口の前に人差し指を立てた。

「反対は却下だ。休むのも仕事の内なんだろ? それにな、毎日毎日働いてばかりだとお前を慕う部下も気兼ねなく休む事が出来ないし、お前自身の思考も凝り固まっちまうから……明日は頭空っぽにして自分の作ってきた街を一人で散歩でもしてみたらどうだ?」

 うんうんと頷く星と牡丹。
 さすがに自分の発言を持ち出され、仕事をし続ける事によって何が起こるか言われると否定する事も出来ず、納得するしかなかった。

「……明日……だけだからな」

 ほっと大きく安堵の吐息を漏らす牡丹を見て、秋斗達と知り合ってからある程度は張りつめなくなったと言っても、私はまだ周りが見えていなかったと気付かされた。
 牡丹が一番に私を心配してくれていて、秋斗と星はその気持ちを汲んだのだ。
 じわりと胸が暖かくなる。認めたと言っても、牡丹の事をもっと見てやらなくちゃダメだな。

「ありがと。でも明日休みなら今日の仕事を一緒に終わらせてもいいか? 明日の為に、私しか採決出来ない案件も分けておくからさ」

 せめてもの妥協点として示すと、牡丹も秋斗も苦笑しながら頷いてくれた。

「ならさっさと終わらせちまおう。とりあえず朱里……は居ないから雛里に明日は白蓮が休みな事を伝えて来るよ」
「では私と星は城の者達に残業を通達してきます」
「あまり机に向かうのは得意ではないが……四人でするならさ
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