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乱世の確率事象改変
〜幕間〜 白き蓮に休日を
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っているというように。

「あいつは本当に凄いからなぁ。白蓮だって女の子の道もあったはずなのに、それを無くしてまで苦労する事を選んだんだからさ」
「ですよね!? じゃあ此処にいればいいんです。簡単なことですよ白蓮様の元に劉備もお前も全員で残ればいいんですそうすれば白蓮様の負担も減りますし劉備もじっくり成長できます幽州の地も良くなるんですから一石二鳥いや三鳥ですもしかしたら烏丸の奴等が二度と攻めて来ないようにも出来るかもしれませんしそうなれば結構楽しい四人の時間も増やせますもちろんお前が何か耐える事もないでしょうし問題ありませんほらみてくださいどうですかこれだけいい所があるんですからもう残るしかない、ですよ!」

 白蓮の事を認めているならと、暴走に身を任せるまま牡丹は秋斗に詰め寄ったが、街中という事もありどうにか自身を制御して押し留め、そのまま人差し指を秋斗の目の前に立ててピタリと動きを止めた。
 牡丹はただ白蓮の為を想って秋斗を残らせようとしている……わけでは無い。自分を主に認めさせてくれたモノが作り出した日常は楽しくて、忙しいながらも平穏な世界を精一杯堪能出来ている。白蓮の為にも、そして自分の為にもその時間を失いたくないのだ。
 事実、牡丹は気に食わないながらも彼との関係に居心地の良さを感じていた。今まで見た事も無いがこういう形の友というのもあるのでは、などと星に言われて納得もしていた。
 ほぼ公孫軍と言われても不思議ではない程に溶け込んでいる彼が、桃香を説得して白蓮の傘下に居れる事が出来れば文官達の不満も少なくなるのも一つ。
 力強く、そうしろと訴えかけるように見つめ続ける牡丹。
 対して、先程からくるくると彼女の表情が変わる様子が可笑しくて、秋斗は抑え切れずに吹き出した。

「くっ、ははっ! お前、ほんっとに白蓮の事が大好きなんだなぁ」
「何言ってんですか! 当然です!」

 しばらく笑った後に、くるりと答えを待つ牡丹に背を向けて秋斗は歩き出した。

「ちょっと! 私の話聞いてなかったんですか!?」
「少しだけ聞けたな」
「なら、白蓮様の事を上に立てる人だと認めているなら残ればいいじゃないですか! アレらを残らせるのが無理でも一人で!」

 何も言わずにスタスタと歩く秋斗の歩みは何処か楽しげで、牡丹はさらに口を尖らせて怒鳴りながらもその後を追いかけた。

「答えろ! バカ!」

 グイと秋斗の服を掴んだ。それでも尚、秋斗は歩みを止める事は無かった。
 答えが返って来ないのは何故なのか、服を掴んで追随しながら牡丹は考えた。
 白蓮は努力を惜しまず、人徳も溢れんばかり、経験を積み上げて来たので実力が高いのは言うまでも無く、素晴らしい主君であるのは間違いない。現時点の桃香とは比べものにならない事は明確で
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