暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第5話 カルテット
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
った。ただし、中指を突出させて。そう、中高一本拳だ。

“裏”の人間なら誰もが使う殴り方だ。この世界で生きるためには戦いに勝つしかない。相手を倒すためには、どんな攻撃を、相手のどこに入れるか知らなければいけない。“裏”の人間はただ生きたいという本能で戦っている者が多い。体が勝手に覚えるのだ。生き残るために相手を殺す方法を。

この拳は、通常の正拳とは違って、一点のみに力が集結するため、突くよりというよりは刺すと言った方が正しいだろう。例えるなら刃物の先端のような攻撃特性を持っている。
急所にあてれば相手を殺すこともできるだろう。

そして、男のこめかみに目掛けて拳を繰り出しところで目が覚めた。




「…………夢か……ずいぶん懐かしい夢を見たな」
結局あの後、僕の攻撃は決まらなかった。でも、僕はポケットに潰れた釘を入れていてそれを使ってあの男を殺したはずだ……。どうやって殺したかは覚えてないが……。
「……寝なおそう」


ヂリリリリリッ!! 

いつもと同じ目覚ましの音で目が覚める。
「うーん、今日は気分が良いな!! よし、早く学校へ行こう」
朝の支度をして、学校へ向かう。
今日は天気が良く、太陽が僕を照らしてくる。気分が良い日の太陽は気持ちいいな!!
全く、眩しいから良い迷惑だって思ってる奴はどこのどいつだ!


学校に着き、教室に入るといつものメンバー女子3人が……ん? 3人? 見慣れない子がいるな。誰だろう……。そう思いながら席に着く。
「おはよう、勇人」
「おはよう、雄一」
「それより勇人、あかりたちと一緒にいる子って誰か知ってるか?」
「奇遇だね雄一、僕も聞こうと思っていたんだ」
「じゃあ、勇人、聞いてきてくれ」
「いやいや、僕は間宮たちと仲はそこまで良くないから雄一が聞いてきてよ」
「いやでもほら、女子の会話に首を突っ込むのなんて少しあれだろう?」
「…………」
「…………」
「こうなったら、諜報科十八番の盗み聞きをやるしかないか」
「その手があったか! てか、そんなのあったんなら最初から使えよ!」



彼女らの会話を盗み聞きしたところあの見慣れない子は「島麒麟」と言って中学生で火野に戦姉妹を申し込んだらしい。
ちなみに、学科はまさかの特殊捜査研究科 (CVR) 少し調べてみたが、やはり佐々木の仲間だった。 このままじゃ、火野も佐々木の仲間入りを果たしてしまう。 これって伝染するものなの? 


「雄一、君だけは佐々木の仲間入りはやめてくれ……。はっきり言って、ここで男友達は君しかいないんだから」
一応言っておくが、別に友達が少ないというわけでは決してない。ただ単に、そこまで必要ないから作ってないだけだ。偉い人はこういった。友達は必要最低限いれば問題
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ