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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURT今ひとたび父は子供達と踊る〜Egr?goroI 〜
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確かなる幻想」

ルシリオンが詠唱。未だに治まらない頭と胸の痛み、視界不良。それでもなおルシリオンは術式を組み上げる。

――凶竜の殲牙(コード・ニーズホッグ)――

ルシリオンの頭上に無数の武器が出現し、それらが竜を形作っていく。その武器は、神器、と呼ばれる特別な“力”を有するモノだ。神や精霊に創造された神造兵装、魔物に創造された魔造兵装、魔術師(ニンゲン)によって創造された概念兵装を総称して、神器と言う。
その神器で構成されたニーズホッグは3頭。ルシリオンが「喰殺粛清(ジャッジメント)!」と号令を下すと、ニーズホッグは“エグリゴリ”三機に向かって突撃して行った。さらに魔術を発動させようとして、

「あぐ・・・っ!」

今まで以上にひどい頭痛がルシリオンを襲った。強烈すぎる痛みで涙が溢れていく。理由のハッキリしない異常。
しかしここでルシリオンはある事に原因があるのでは?と、1つの推測を立てた。

(まさか、魔力消費が大きい魔術を使うと起こる・・・?)

それが正解ならば、ルシリオンにとっては最悪な事態だ。
魔術師には魔力量やその運営力を数値化して表したランクがある。C、B、A、AA、AAA、S、SS、SSS、X、XX、XXXとある。XXXが最高となるが、中にはそれを超える魔力を保有する者もいる。その者には人間の極限を超えた無限の魔力を持つ者として、EXランクが与えられる。
ルシリオンがそのEXランクだ。だから自然と魔術発動に必要な魔力量が多くなる。魔力を抑えても魔術は発動出来るが、その分威力や効果が薄まるのは必然の事。その抑えられた魔術の効果で、“エグリゴリ”を斃すことが出来るかというと、五分五分としか言えなかった。

(それがどうした。今目の前に、永きに亘って洗脳され狂い続けた子供たちが居るんだ。ここで救えずして、何が父親だ! シェフィとの約束を果たす時だっ、気合いを入れろッ!)

――傷つきし者に(コード)汝の癒しを(ラファエル)――

ルシリオンは三機の動きに細心の注意を払いながら治癒術式ラファエルを発動する。と、幾分か痛みが和らいだ。戦意を保つためにもルシリオンは誓いを胸に抱く。シェフィ。シェフィリス・クレスケンス・ニヴルヘイムという女性との誓い。共に“ヴァルキリー”を創造した、“ヴァルキリー”にとっては母親であり、ルシリオンにとっては最愛の恋人だった女性。

――ルシル、生きて――

――それとお願い。哀れなあの子たちを見捨てないで、助けてあげて――

(ああ、生きるとも。助けるとも。シェフィ、もうすぐで私たちの旅も終わりだ!)

ヴァーリとニーズホッグをやり過ごした三機に向け、ルシリオンは魔術を組み上げる。

――軍神の戦禍(コード・チュール)――

無数の
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