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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURT今ひとたび父は子供達と踊る〜Egr?goroI 〜
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オリヴィエ」
「なにか・・・上手く言えないのですが、とても悲しい思いを感じたような・・・?」
青年にオリヴィエと呼ばれた少女は影を落とした表情で答えた。
「・・・・またどこかで戦があったのでしょう。これ以上の悲しみを生まないためにも、この戦乱の時代を終わらせなければ」
「きっと、クラウスになら出来ます」
オリヴィエもまた声をかけて来た青年クラウスに微かながらも笑みを向ける。オリヴィエとクラウス。後の世に“聖王女オリヴィエ”と“シュトゥラの覇王”と語り継がれる二人を包むのは、この戦乱の時代の中でも温かなもので・・・。
ここは騎士の世界ベルカ。時代は常にどこかで戦の起こる戦乱期。諸王時代とも呼ばれるこの戦乱期に、
現在
(
いま
)
よりさらに遥かに古き時代の王ルシリオンが降り立った。
?―?―?―?―?―?―?
――シュトゥラ/ラキシュ領――
シュトゥラと隣国イリュリアの国境近くのラキシュ領にある山林の中、1人の少女が山菜採りに来ていた。
茶色い長髪はポニーテール。青い瞳。白い肌ゆえに、頬が桜色に染まっているのが目立つ。三角頭巾にエプロン、カットソーにロングスカートという格好だ。早い喩えが田舎の町娘。
「うん、今日もなかなかの量ね。今夜はご馳走かな♪」
採れた山菜を見てニヤニヤする少女。少女は籠を背負い、彼女の住んでいる街へ帰るために山道を往く。その帰路の途中、少女は帰りついでに山菜を見落としていないかキョロキョロと辺りを見回している。と、山林の奥で何かが光っているのを見た。最初は警戒して動かず近づかず。何も変化が起きないのを時間をかけて確認した少女は、音を立てず、息を殺してそろりそろりと歩み寄っていく。
「・・・・・・っ!!」
そして見た。長い銀髪に覆われているような女性が倒れているのを。気を失っているのか、もしくは死んでいるのか指一本と動かしていない。
「まさか・・・死んで・・・!?」
少女の顔が青褪める。全身が恐怖に震えだし、腰が抜けそうになる。それでも少女は女性へと近づいて行く。前髪で顔が隠れてしまっている女性の前で両膝をつき、震える手でそっと女性の顔に触れる。
「温かい! 生きてる! 大丈夫ですか!?」
女性が生きている事が判り、少女は声をかけ続ける。声をかけ続けている間、どうしてこのような山林の中で気を失って倒れているのかと考える。病気か。それにしてはボロボロな服を着ている。そこから少女が行き着いたのは、
「何かに襲われた・・・?」
呼び掛けを止め、少女は周囲をぐるりと見回した。獣か。それとも人間にか。今は戦乱の時代。平気で人が死んでいく時代だ。兵に襲われ、ここまで逃げてきたが力尽きて気を失った。そう考える少女。
「綺麗な人だし、襲われて
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