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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURT今ひとたび父は子供達と踊る〜Egr?goroI 〜
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フォーレン・ナンバー”が生まれてしまうほどに、人間の業は深く、愚かだった。
「ん? なんだ・・・?」
テスタメント・ルシリオンは遠くで連続して起こる爆発に目を凝らす。戦闘が行われている事に違いなかった。空に何隻もの空中戦艦が浮かび、艦載砲で攻撃し合い、また地上でも人間が争っていた。それが判ったと同時に、この場から離れるために空を翔けようとしたところで、
――
黒き影拳乱舞
(
ポワン・タンペット
)
――
成人男性の身長くらいの大きさを有する、巨大な黒い影の拳が幾つも高速で飛んできた。テスタメント・ルシリオンの顔が驚愕に染まる。それはいきなりの奇襲を受けたからではない。放たれて来た攻撃は、テスタメント・ルシリオンの言う魔術であり、かつて彼がある者に教授したモノだからだ。
「レーゼフェア・・・!」
7つ目の黒い拳を避けきった後、テスタメント・ルシリオンはある一点を見詰める。
そこには、10代後半くらいの少女がひとり宙に佇んでいた。バイオレットのショートヘアはカチューシャを付けていることでインテーク化。クリムゾンの瞳は猫目で、口もどことなく猫口。ハイネックの黒セーターに白のロングコート、裾から覗くズボンも黒、そして茶色のブーツという格好だ。そして両腕には赤と黒、2色のゴツゴツとした籠手を装着している。
「魔道世界アースガルド・グラズヘイムのセインテスト王、ルシリオン・セインテスト・アースガルド・・・見ぃーっけ♪」
「・・・久しぶりだな、レーゼフェア。私が判らないか?」
テスタメント・ルシリオン――いや、ルシリオンは“テスタメント”としてではなく魔術師として、少女レーゼフェアに微笑みかけた。それはあまりにも優しい微笑。まるで父親が愛おしい子供に向けるようなものだ。
レーゼフェアの正体は、ルシリオンが長年追い続けていた“エグリゴリ”にして、彼の子供でもある“戦天使ヴァルキリー”の一機、レーゼフェア・ブリュンヒルデ・ヴァルキュリアだ。だからこそ、ルシリオンの見せる微笑に親としての想いが入っていてもおかしくはない。
「僕の手柄だよ。力ある王はすべて排除排除、殲滅だっ♪」
「やはり・・・洗脳とノルニル・システムから切り離された障害で記憶デバイスがやられているのか」
ルシリオンの顔が悲しみで歪む。唇を強く噛んでしまっている事で血が一筋つぅーと流れる。拳はきつく握られ、ラピスラズリとルビーレッドのオッドアイはレーゼフェア一点に注がれている。涙は流すまいと肩を震わせ、今のルシリオンは痛々しいほどに小さく見えた。
「アンスールが1人、神器王ルシリオンを確認」
さらに別の声が曇天に響き渡る。ルシリオンはその声の主を見るまでもなく、声の主の名前を告げた。
「グランフェリア」
ルシリオンとレーゼ
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