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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURT今ひとたび父は子供達と踊る〜Egr?goroI 〜
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そこは戦場跡。ひどく焼け爛れた大地が広がり、元は船と思われるいくつもの巨大な鉄の塊が大地を穿ち焼いていた。そこはつい先ほどまで烈火の如き大規模な戦が行われていたと思われる。
そんな生命の無い戦場跡に、サファイアブルーの光が柱のように天より落ち来たる。蒼光の柱が消え失せ、蒼光が落ちていた場所に1人の男が佇んでいた。漆黒の
神父服
(
キャソック
)
を着ており、裾には幾何学模様の金の刺繍や金の装飾が施されて、チャラチャラと音を出している。キャソックと同様に漆黒のフード付きの
外套
(
マント
)
を羽織っていて、火の粉混じりの風にはためいている。
「この世界に、
堕天使
(
エグリゴリ
)
が居るのか・・・?」
天秤の狭間で揺れし者という二つ名を有する、4th・テスタメント・ルシリオンだ。彼は周囲を注意深く見回し、
「戦場か・・・。まさかエグリゴリの仕業か? いや、違うな。魔術特有の神秘は感じられない。だが魔力は感じられるな・・・・」
テスタメント・ルシリオンは鉄くずの1つに歩み寄り、攻撃されたことで大きく抉れている損壊部分を手でなぞる。自分と同じ魔術を扱う“堕天使エグリゴリ”の仕業でないことを確認し、しかし魔術発動に用いられる魔力という特別なエネルギーを感知できることに小首を傾げた。“エグリゴリ”と関係が本当にないのかを確認するため、テスタメント・ルシリオンは周囲にいくつも散乱している鉄くずの1つに歩み寄る。
(それにコレは飛行戦艦か。この世界の科学力はそれなりのようだな)
――
我を運べ
(
コード
)
、
汝の蒼翼
(
アンピエル
)
――
ある程度周囲を確認した後、テスタメント・ルシリオンは背より蒼光で構成された12枚の剣翼を作り出し、黒々とした雲が渦巻く曇天へと上がった。まずは地形を確認。主戦場であろう焼け爛れた平原。平原の周囲には切り立つ山脈。山々のところどころに自然に出来たとは思えない大きく崩れた部分が多くある。
「戦で失った自然の姿か。やはりどの世界へ行っても人間は争いをやめないんだな」
テスタメント・ルシリオンは“霊長の審判者ユースティティア”の存在意義を思い出す。争いをやめない人類を切り捨て、巻き込まれる他の生命を守護する。それが世界の為、と。“界律の守護神テスタメント”の中にはその意思に賛同する者も居た。例として始原プリンキピウムだ。彼女もかつては“テスタメント”の一員だった。
それゆえに“テスタメント”用の武装・聖典――堕ちて穢れたということで偽典と呼ばれる――を手にしている。“テスタメント”がその在り方に疑問を持ち、人間に絶望を抱き、そんな人間を守って来た自分にすら絶望し、全てを諦めて“ユースティティア”へと堕ちた“テスタメント”は、“堕天した守護神フォーレン・ナンバー”と呼ばれる。そんな“テスタメント”の裏切り者“
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