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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第4話 久しぶりの諜報科らしい仕事
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れたが今度はそうもいかない。
「え〜。前にやった時に、背中を強打したんだよ。痛いのは嫌だ」
「そこを何とか……」
これで引き下がらないのは想定済みだ。ならば……
「実は僕、ある夢を見たんだ」
「夢? どんな夢だ?」
「雄一がライカに勝つ夢。そしてこれは……恐らく……正夢だ」
もちろん嘘だ。そんな夢見たことは一度もない。あ、ライカが雄一をボコボコする夢は見たことはあるな。

「マジで!? よし!! ライカに勝負を挑んでくるわ!! 首を洗って待っていろよ! ライカ!」
そう言うと、雄一はパンを飲み込み走って行った。
「よし、なんとかなったぞ。これで僕の背中は守られた」

昼飯を食べた後、僕は物を運搬するクエストを受けた。届け先は……武敏さんの喫茶店だ。
よーし、とっとと終わらせるか。

「武敏さん。届け物ですよ」
「おお、勇人。武偵に届けさせると連絡があったが、お前だったのか」
武敏さんに荷物を渡す。それにしても……妙に大きいな……なんだろうか? コーヒー豆とかだったらわざわざ武偵に届けさせる必要なんてないはずだ。
「武敏さん、この荷物ってなんですか?」
「まあ、気にするな。大した物じゃない」
「そうですか……じゃあ僕は戻るんでこれで」
「ああ、お疲れさん」


喫茶店を出て武偵高に戻る途中……


オールバックでサングラスをかけた暴力団員のような人が目にとまった。ただの暴力団員なら気にしないが、彼が持っているアタッシュケースが気になった。

(暴力団員のような格好にアタッシュケース……怪しいな。アタッシュケースっていう時点で怪しい。ドラマや漫画であの中に入っているのは大抵、麻薬とか危険なものだ。うーん、なにかあった後だと怖いし、様子を見てみるか。)
そして、勇人は暴力団員のような男の追跡を始めた。

(人込みを避けるように移動しているな……ますます怪しい)
そう思っていると、男は周りを見回した後、近くの廃工場に走って行った。
(あそこは2年前に廃棄された工場だな……って怪しすぎるだろう!! とりあえず中に入ってみて様子を見よう)
「さて、正面から堂々と入るわけにはいかないし……あ、都合よく窓が開いてるな〜あそこから入ろうかな」

窓から侵入すると男達が集まっていた。
(集まってる集まってる。数は10人ほどか……小規模だな。きっと大きい暴力団の傘下だろう……)

「頭、持ってきました」
「よし、てめえら。とっとと買うやつ探しに行くぞ。もたもたしてたら警察や武偵が来ちまう、3日以内に全部売っちまうぞ」
「「「「「「「「へい!!!」」」」」」」」
すると、全員出て行った。
(おっ、運の良いことに全員出て行ったな……さて、もうちょっと情報集めて教務科に報告するか)
さっきまで男
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