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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第3話 諜報員の休日
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翌日――


「あ〜もう朝か〜二度寝しないうちに起きて――」
ベッドから起き上がろうとした瞬間、背中に痛みが走った。
「あ〜背中痛え〜。学校面倒だから今日は休もう……」
とりあえず、朝飯を食べよう。学校への連絡はそれからだ。

「しまった。これが最後のパンだったか……。買いに行かないとな……」
パンを飲み込み、武偵高に電話を掛ける。
「もしもし、1年A組の天原です。体調を崩してしまったので、今日はお休みさせていただきます」
学校への連絡を終え、ゲームをしたがそれも飽きて勇人はソファに横になっている。


「あ〜暇だな。そうだ、喫茶店にでも行こうかな」



「こんにちは〜武敏さん」
「ん? 勇人か? お前、学校はどうした?」
「背中が痛くて休みました」
「なんともまあ、単純な理由だな……。そういえば、昨日の誘拐事件、犯人の一人は“裏”の出身だったな」
「どうして皆、見ただけでわかるんですか?」 
「自然にわかるようになるんだよ。お前もその内、分かるようになる」
「はあ……そうですか……。そんなことより、いつものお願いできますか?」
「了解」

「やっぱり、武敏さんのコーヒーは絶品ですね。この辺りじゃ一番ですよ。」
「褒めても何も出んぞ。そういえばお前、“表”に出てきて何年目だ?」
「3年目です。」
「もう3年か……早いもんだな」
「どうして武敏さんは僕を“裏”から連れ出したんですか?」

「……確かに“裏”の人間が“表”に出てきたら武装検事や公安0課に消されてしまうだろう。それほど国が危険視している場所だ。だが、お前はあそこで13年間生き続けている。初めて、お前と会ったときは驚いた。こんな子どもがどうやって……てな。でも、お前なら、“表”の世界で生きれば一般の人間以上に苦労するかもしれないが間に合うと感じた。だからお前を連れ出した」

「そうですか……まあ、確かに苦労しましたよ。主に中学が」
「加減乗除や字すら分からなくて毎日、早く帰ってきて勉強三昧だったな。今となっては楽しい思い出だ」
「そうですね」

その後は世間話をずっとしていた。
「さてと、そろそろ行きますね。ごちそうさまでした」
「ああ、またな」


喫茶店を出たら丁度昼だった。
「このまま外食で良いかな。今日の気分はラーメンだな。よし、おいしい店を探すぞ〜」
いい匂いを頼りに、お店を探す。そして……。
「ここからいい匂いがするな……。看板は見当たらないがこれは、隠れた名店というやつだな。ここにしよう。」



なかなかの味だった。外食するときの候補にしておこう。
「時間はまだあるし、散歩でもしてようかな」


しばらく散歩をしていたら、大分時間もたっていた。空も茜色に染まってきている。

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