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魔法少女マギステルたかね!
1話
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やら今回も、他人の気を削ぐような『とても効率的で挑発的な』顔をしているらしい。
「いや、何。そうしていると歳相応に可憐に見えるな。実に微笑
ましい」
「『なっ!?』」
 すると、自然に出て来たフォローの言葉も、『とても効率的で挑発的な』皮肉気な感じになったことだろう。
 全く以て、私の『従者』は扱い難い。
 ちょっと気を抜くと、ニヤニヤと人の悪い笑みを向け、口を開けば皮肉ばかり。
『褒めてるのか、馬鹿にしているのか判断に付きかねます!』
「可憐に見える」だの「微笑ましい」だのと聞けば、それは嬉しくもある。
 だが、妙に皮肉気な笑みで言われれば、それこそ皮肉ではないか
と訝りもする。
 ただでさえ、異性との交流が少ない女子校だ。こんな特異な男性との交流ばかりで、自分達は大丈夫なのだろうか? などと益体も無い思考に引きずられつつある高音だった。
「さて、立てる? 愛衣」
 争いの後の暗い森林に何時までも居たいとは思わない。それに事の顛末を報告する義務がある以上、あまり此処に長居する訳にもいかない。今だ起き上がる気配の無い愛衣に、起立を促してはみるが――
「お、お姉様……腰が抜けちゃって立ち上がれませんー」
 ――案の定、返ってきた言葉は涙目と相俟って情けない声色と、それ相応の情けないセリフだった。
 困った娘だ、とも思うが、それもまたこの娘らしくもあり微笑ましい。
 しょうがないな、と心の中で言葉にするも、決して疲れや惰性で言ってる訳ではないし、手を差し延べるのは義務感や稚児の扱いではない。
 この愛らしい『妹』を持てたことへ感謝している。
 しょうがない、のはこんな愛らしい妹を見て微笑ましく想う自分自身。手を差し延べるのは何の打算もない、自身の裡から出る衝動だ。
『本当に、“しょうがない“』
 差し延べた手を取り、頼りなく立ち上がる愛衣。あまりに頼りないので肩を抱くように手を回すと「えへへ」とはにかむように笑う。
「ふむ……立つのが辛いのなら、私が運ぼう」
 そんなセリフと共に、ひょい、と横抱きに抱えるのは士郎。
 あまりに急な展開に思考がついて行かず、唖然と見送る高音はともかく、抱き抱えられた愛衣もキョトンとしている。
 丸めた手を胸元に、赤子の様に縮こまる愛衣は、暫くして漸く自身の状況を理解して顔を真っ赤にしていた。
 悲鳴を上げるべきなのか、助けを求めるべきなのか、大人しくしているべきなのか……など混乱の極みにある思考で、「どれも何か違う気がする」と考えている間にも、無言で愛衣を運ぶ男は歩みを止めない。
「ちょっ、待ちなさい!」
 良く分からない状況に、停止していた高音は置いて行かれたことを漸く覚り、慌てて追い掛ける。
 こと此処に到り――未だ混沌原因の『横抱きに抱える』と云う行為に、何ら追及が無
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