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魔法少女マギステルたかね!
1話
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味方であり――良く知る「男」の声だ。
 問題は、
「ちょ、愛衣! 伏せなさい!」
 焦ったような高音の声に、「えっ?」と可愛らしくきょとん、と
するが――生憎と余裕もない。高音が知りうる限り、あの男は――
 そんな高音の様子をチャンスと見て、5mばかり先にいた烏天狗らしき異形が飛び込む――いや、“飛び込もうとしていた“――
「『なっ!?』」
 誰の声だったか、自分の声だったかも分からない驚きの声。それを皮切りに、蹂躙と制圧が始まる。
 烏天狗に刺さった『何か』が、烏天狗もろとも『消滅』し、驚きの時間さえ与えまいと、瀑布のようなソレは月光を反射しながら掃討を開始する。
 流星と見間違うソレは、正確に、獰猛に標的を撃ち貫く。
 一矢で消えた者はある意味幸せだったろう。
 二度三度と貫かれた者は困惑のまま答えを得ずに消え逝く。
 それでも生き延びた者は――?
 永かったような、短かったような……
 魔弾の掃射から辛うじて生き延びた者達は、僅かに三命。
『あかん、こいつは、あかん』
 正直、訳が分からない。
 いや、事象事態は理解出来る。
 ――矢で穿たれた――
 それだけ。
 だが、肝心の弓兵が見当たらない。
 鬼達は、そう何度も経験出来ない『身を隠す』という行動を採る事で生き延びた。存在自体が『恐怖』と同意な鬼達にとって、逃げに均しいこの行為は本来有り得ない。身を潜ませ、それによって『恐怖』を増長させることはあっても、だ。
 その点で言えば、姿の見えない弓兵は正にソレ。どこから来るのか判らない攻撃こそ、本来悪魔や鬼と言った幻想に生きる者達の業のハズだった。
 しかし、身を隠してからそれなりに時間は経っているが……全く音沙汰が無い。
 時間こそ、10秒程度だが、殊、軍場では渦中に於いて有り得ない時間。
 一秒ですら死に到る。
 姿が見えないとは言え、矢は直線。移動しない限り来る方向自体は同じだ。
 ならこの10秒、移動の時間とすれば……それは致命的な時間喪失。
 矢を幾重にも受けて傷だらけの身では、予測の付かない攻撃を避け、受け、払ってもどこまで持つか判らない。
 だが、ここに来て膠着状況に耐えられない者が出て来てしまった。
 いや、あれはある意味英断だ。鬼に仲間意識はあまり無いが、それでも目的を同じくする者が他に居るなら――
 少なくとも、盾として、そして探知器として役に立つ。
 ――相手が既知の存在ならば。


 音がした。
 闇い冥い音がした。
 鋭く重い音がした。

 業、とも、劫とも聞こえる音。
 剛、とも、轟とも聞こえる音。


 その熾烈な一撃が奏でる音に、『恐怖そのもの』であるハズの鬼が一体、断末魔と共に逝く。『還った』ではない、その幻想ごと『消され』た。
 只
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