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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第9話:新メンバーを選抜せよ−3
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の中でも頭一つ抜けており、
異論をはさむ余地が無かったのである。

しかし、それ以外の15人は総合的な能力ではほぼ横一線。
階級も得意な分野もまちまちで、再編成後の各分隊の戦力バランスを
考えながらでなければ採用者の決定は難しかった。

かくして現在の部隊員も含めた4個分隊を編成しなおす作業となり、
4人の分隊長それぞれの思惑も相まって議論は白熱し、結果として
5時間という長時間の会議となったのである。

「ではこれで解散とするが、最後に一つ言っておく。
 4月以降、我々特殊陸戦部隊は前線部隊が再編されるわけだが、
 だからといって、常時即応態勢を解除されるわけではない。
 いざ出動となれば4月1日からでも出動する必要がある。
 よって、各分隊とも早急に各人の能力掌握・連携の確認などを実施するように。
 いいな?」

全員の顔をぐるりと見回しながらゲオルグがそう言うと、
4人の分隊長たちは真剣な顔で頷いた。
それを見たゲオルグは満足げな表情で頷く。

「よし、では解散。 ご苦労だった」

ゲオルグがそう言って会議を締めると、全員が椅子の上で伸びをしたり
大きく深呼吸したりしてから椅子から立ち上がる。
ゲオルグ自身も机に一度突っ伏して何度か大きく息を吐くと、
再び顔をあげてまだ座っていたティアナとエリーゼに声をかけた。

「ティアナ、姉ちゃん。 これからウチの食堂で昼飯でもいっしょにどうだ?」

「いいですね。 ご一緒させてください」

「そうね。 頂くわ」

ティアナとエリーゼがゲオルグの誘いに乗ると、3人は連れだって通路に出た。
食堂へと向かう道すがら、エリーゼがティアナに話しかける。

「そういえば、ティアナちゃんはオフトレツアーに参加する予定?」

「もちろんですよ・・・って言いたいとこなんですけど、大丈夫でしょうか?」

「どういうこと?」

「私もエリーゼさんも特殊陸戦部隊の分隊長になるわけじゃないですか。
 分隊長の半分が何日も不在っていうのは大丈夫なのかなと思いまして・・・」

「なるほどね・・・どうなの? ゲオルグ」

ティアナの言葉に頷いたエリーゼがゲオルグに尋ねると、
ゲオルグは苦笑しながら肩をすくめた。

「まあ、大丈夫だろ。 あそこは転送回収ができるようになってるからな。
 いざっちゅうときは、転送回収でここまでひとっ飛びだよ」

ゲオルグの言葉に対して、エリーゼもティアナも安堵と失望が入り混じった
複雑な表情をしていた。

「あぁ・・・そういうこと。 まあ、参加できるのはいいことよね」

「そうですね。 居残りって言われないだけ、いいですよね」

エリーゼとティアナの微妙な喜び方に、ゲオルグは不満げに口をとがら
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