第9話:新メンバーを選抜せよ−3
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「そうだよ。 ウチで分隊長をやってるウェゲナー3尉だ」
玄関ドアを抜けて家の中に入ると、ゲオルグが後に立つウェゲナーを
なのはに紹介した。
「ウェゲナーです。 今日は突然おじゃましてすいません」
そう言って深く頭を下げたウェゲナーが顔をあげると、
なのはがにっこり笑って立っていた。
「ようこそ、ウェゲナーさん。 いつも主人がお世話になっています」
なのはがそう言ってぺこっと頭を下げると、ウェゲナーは慌てて再び頭を下げた。
「そんな! お世話になってるのは自分の方ですから・・・」
そんなウェゲナーの様子を見てなのはは柔らかに微笑んだ。
「まあ挨拶はこれぐらいにして、どうぞ上がってください。
わたしの手料理ですけど、晩御飯もありますから」
「はい、お邪魔します」
なのはを先頭に3人はダイニングへと進む。
テーブルの上には2人分の夕食がしっかりと用意されていた。
「どうぞ、座ってください」
「あ、はい。 ありがとうございます」
ウェゲナーが椅子を引いて腰を下ろし、ふと目をあげると唇を合わせる
ゲオルグとなのはの姿が目に入った。
(わっ・・・)
ウェゲナーは慌てて気まずい思いで2人から目をそらした。
(なんだよ、この夫婦。 客の前で堂々とキスなんかするか? ふつう)
目の前でアツアツぶりを披露する夫妻に対して、心の中で毒づいていると
ウェゲナーの向かい側にゲオルグが座った。
「ふぅ・・・酒飲むか?」
「部隊長はどうされますか?」
「俺はパスだな」
「じゃあ、俺もやめておきます。 明日も仕事ですしね」
「だな。 じゃあ食べるか」
「はい」
ウェゲナーは軽く頭を下げてから、改めて食卓の上を見た。
自分の前にはご飯の盛られた茶碗や味噌汁の入った椀、
あとは煮物の入った小鉢などが並んでいる。
だが、肝心のフォークやナイフを探しても見つからず、
ウェゲナーは途方に暮れてしまった。
(どうやって食べよう・・・)
困ったウェゲナーはそっとゲオルグの方を見た。
ゲオルグは2本の棒を使って器用に茶碗からご飯を口に運んでいる。
自分の手元を見ると、ゲオルグが使っているのと同じような棒が置かれている。
(これを使うのかな・・・)
恐る恐る手に取り、ゲオルグがしているのを見よう見まねで真似して
ご飯に箸を伸ばす。
(あっ・・・)
だが、ウェゲナーの掴んだ箸はうまくご飯を掴めない。
「すいません、部隊長・・・」
おずおずとウェゲナーが声を掛けると、ゲオルグは首を傾げて見返した。
そしてウェゲナーの手に握られた箸を見ると、キッチンの方に向けて声をあげる。
「なのは
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